
<阪神1-5DeNA>◇29日◇甲子園
負けたけれど…ひと安心! 阪神森下翔太外野手(24)がDeNA戦(甲子園)で先制打を放ち、34打点でリーグトップのチームメート佐藤輝に並んだ。初回1死一塁、DeNA先発ジャクソンから先制の右中間適時二塁打を決めた。この一打は19打席ぶりの安打。34打点でチームメート佐藤輝と並んでリーグ1位に躍り出た。チームは4連勝を逃したが、3番打者のトンネル脱出は朗報だ。
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森下は二塁ベース上で何度も手をたたいた。19打席ぶりの安打は先制打。大歓声を全身に浴びながら喜びを爆発させた。3連勝中に苦しんだ男がトンネルを脱出。チームは完敗を喫したが、3番打者の復調気配は間違いなく明るい材料だ。
「良かったです。ムーさん(中野)が粘って出塁してくれたので、自分も(佐藤)輝さんと大山さんにつなぐ意識で打席に入りました」
初回1死一塁。DeNAジャクソンの外角低め153キロ直球を捉えた。鋭いライナーは右中間を破る適時二塁打。「コースに逆らわずに打てました」と納得の一打だった。この日で通算対戦成績を打率3割3分3厘とした右腕から、23日中日戦の第5打席以来となるHランプ。チームとしても5月20日巨人戦で森下が決勝2ランを放って以来となる初回先制を決めた。
今季34打点目。ついにリーグトップを独走していた先輩・佐藤輝に並んだ。昨季はチームトップの73打点。無安打の期間も25日中日戦では左犠飛を放ち、27日DeNA戦ではサヨナラの押し出し四球を選ぶなど打点は稼いでいた。
球宴のファン投票中間発表でも森下が外野手部門1位の22万3864票で両リーグ全部門トップ、佐藤輝は三塁手部門1位の19万7615票でセ・リーグ全部門2位。絶大なる存在感を放つ虎の3、4番による打点王争いは、チーム状態の良さの証しでもある。
第2打席以降は凡退し、チームも1得点どまりの完敗。試合後は「1本だけじゃなくて2本打てるように」と反省。3試合連続でスタメン出場した慣れない左翼守備でも悔しさが残った。7回2死満塁では前進守備を敷くも左前適時打で二塁走者の生還を許し、9回も左翼線のクッションボールを処理しきれず三塁打とした。悔しさはすぐさま次戦で晴らしたい。
30日からはマツダスタジアムで交流戦前最後の3連戦。3月29日には逆転2ランを放っている舞台だ。「変わらず頑張ります」。リーグ優勝を達成した23年と同じ首位での交流戦突入へ、虎の3番打者が息を吹き返す。【塚本光】