
<ウエスタン・リーグ:ソフトバンク-広島>29日◇タマスタ筑後
頼れる男が帰ってくる。右前腕屈筋群の筋挫傷で離脱中のソフトバンク今宮健太内野手(33)が、30日の敵地楽天戦から約1カ月ぶりに1軍へ再合流する。29日、ウエスタン・リーグの広島戦(タマスタ筑後)に「3番遊撃」で先発出場。バットでは2打数無安打に終わったが、守備で軽快な動きを披露するなど最終調整を終えた。当初は6月3日の交流戦からの復帰プランだったが、前倒しの1軍昇格だ。
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不安はない。今宮の表情にも、手応えを感じる。約1カ月ぶりの戦列復帰に、気持ちも引き締まった。
「(1軍に)上がるからには結果を残すしかないと思っている。不安があれば行かないですし、不安なく行きたい」
30日に空路で仙台入りし、1軍本隊に再合流する。試合出場は31日からの予定だ。この日の午前中、福岡・筑後市内のファーム施設を視察した小久保監督とも会話を交わし、GOサインが出された。「全然、問題ないです」と指揮官。当初は6月3日の交流戦で復帰プランも、順調な経過ぶりで前倒しとなった。今宮は「今日の感じを見てもそんなに反動はなかったので」と万全ぶりを強調した。
最終調整を終えた。広島との2軍戦に「3番遊撃」で先発出場。2打数無安打も、守備では軽快な動きを見せた。0-2の2回2死だ。詰まった当たりの打球にチャージし、ランニングスローで一塁へ送球した。5回は平凡なゴロを難なく処理。計2度の守備機会をこなした。
復帰後、実戦3試合を終え、「右前腕屈筋群の筋挫傷」と診断された右肘も問題なしだ。小久保監督は「今宮はショートになるでしょう」と語っており、花形ポジションに背番号6が戻ってくる。
チームは今季ここまで23勝23敗2分けの4位。一時は最大借金7を抱え、4月終了時点では最下位だったことを考えればV字回復だ。首位を走る日本ハムとは3ゲーム差。上位浮上にはやはりこの男の力が必要だ。
「もう、ここからでしょう。最初を考えれば『どうなるんだろう』って思うところはあったかもしれないですけど。何とか挽回していけるのが強いチームだと思う」。今宮はそう言い切った。周東、近藤はすでに戻ってきた。ホークスの役者たちが、徐々にそろってきた。【佐藤究】