
アルビレックス新潟が25日、ホームで湘南ベルマーレと対戦する。ここまでの16試合で積み上げた勝ち点はわずか13で、J2降格圏の19位に沈む。昨季は準優勝だったルヴァン杯も3回戦で敗退…。チームに上昇の気配は感じられないが、22年から1年半在籍したシントトロイデンMF伊藤涼太郎(27)が23、24日の練習に参加し、勇気とパワーを注入した。何とかして悪い状況を変えたい一戦。樹森大介監督(47)は必勝を誓った。
悪い状況を一変させるゲームにする。湘南戦前日の24日、チームは元同僚のシントトロイデン伊藤を輪に加え、軽めの調整で汗を流した。樹森監督は今季ホーム初勝利をサポーターに届けることを誓う。「相手どうこうではなく、自分たちに矢印を向ける。うまくいかない時間帯もあると思うが、粘り強く戦いたい」。
前節18日のファジアーノ岡山戦はハイプレスに苦しみ1-2黒星。続く21日の東京ヴェルディとのルヴァン杯3回戦でもオールコートでのマンツーマンディフェンスに前進できず、0-2完敗となった。公式戦連敗に「内容的にも悪いゲームだった」と視線を落としたが、湘南戦に向けた期間で「もう1回、気を引き締めるために、自分たちのスタイル、マインドを同じ方向に向くように準備して来た。そういった部分を表現したい」と語気を強めた。
チームが20年から積み上げるパスサッカーを貫くのか、理念を捨て内容よりも結果にこだわるのか。「そこのバランスはコントロールしたつもだったが(ここ2戦は)特に前線と守備で意志が合わなかった」。苦戦した岡山、東京Vと同様、湘南も前線から高強度の守備を仕掛けて来ることが予想される。「新潟シフトを準備していると思うので、割り切る部分も出る」と、状況に応じて柔軟に手法を変えながらゴールに到達することを強調した。
序盤は大混戦だったJ1だが、中位と下位の差は広がってきた。19位からのジャンプアップに向け公式戦3連敗は許されない。今節は樹森監督にとって00年にプロキャリアをスタートさせた古巣戦になる。「本来であれば楽しみな試合だったが、そんなことを言ってられる状況じゃない。しっかりといいゲームをしたい」と力を込めた。【小林忠】