
<明治安田J1:岡山2-1新潟>◇18日◇第17節第2日◇JFE晴れの国スタジアム
アルビレックス新潟はアウェーで昇格組のファジアーノ岡山に1-2で敗れた。
0-1の前半15分、MF長谷川元希(26)の2試合連続ゴールとなる今季6得点目で追いついたが、後半13分にPKで勝ち越しを許した。20年から志向するポゼッションスタイルは積み上げが見られず、迫力不足。シュート数は相手の14本に対し、わずか5本に終わった。2勝7分け7敗で勝ち点は13のまま。「新潟史上最強」を宣言したシーズンだったが、早くもJ1残留すら危ぶまれる状況に陥った。
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エース長谷川の今季6ゴール目はまたも空砲に終わった。1-1の後半11分過ぎ、DF舞行龍ジェームズ(36)がペナルティーエリア内で相手を倒し、PKを献上。それを決められて勝ち越しを許した。早くも7敗目。中位との勝ち点差は縮まるどころが広がった。樹森大介監督(47)は「自分たちのやりたいことが出来なかった。悔しいのひと言。相手のプレスが上回った。難しかった」と完敗を認めた。
狙いが見えない。アルベル氏(57)が20年に植えつけ、松橋力蔵前監督(56=現J1東京)がブラッシュアップさせた「圧倒的にボールを保持して試合を支配する」攻撃的なポゼッションスタイルは、影も形もない。前半はカウンターが武器の岡山にボール保持を譲り、守備一辺倒。後半も選手がパスでつなげながら前進する攻撃は各駅停車で連動性、迫力に欠け、個人技頼みのサッカーに切り替わった。
交代策も効果なし。後半13分に3枚替え、同34分にもFW矢村健(27)FW太田修介(29)と攻撃的な選手を同時投入したが、リズムに変化はなく、逆に失速し、見せ場は作れなかった。
勝利がない中で先発メンバーは、ほぼ固定される。昨季主力で中盤の底から攻撃に変化を起こせるMF宮本英治(26)、力強いプレーが持ち味のMF落合陸(25)ら新戦力も出番がなく、攻守両面で躍動感に欠ける。「新潟史上最高」を目指すはずのシーズンだったが、J1残留が最大の目標となった。指揮官は「下を向かず、次に向けて準備したい」と気丈に振る舞ったが、勝利を願うサポーターの我慢は限界に達している。【小林忠】