
<東都大学野球:青学大6-1国学院大>◇第5週第2日◇23日◇神宮
青学大が勝ち点5の完全優勝で、史上4校目の5連覇を達成した。リーグ優勝は17度目。先発のバデルナ・フェルガス投手(4年=日本航空)が5回無失点で試合を作り、鈴木泰成投手(3年=東海大菅生)につなぐ必勝リレーで、国学院大を封じた。青学大は3連覇を懸けて、6月9日開幕の全日本大学選手権に出場する。亜大は日大に勝利し1勝1敗とし、東洋大は中大に連勝で勝ち点を挙げ、東洋大3位、中大4位が確定した。
◇ ◇ ◇
最後はリリーフエースの鈴木が自分らしく投げきった。6回から上がると真っすぐで押し、フォークでアウトを重ね、9回は2者連続三振で優勝を決めた。「ホッとしています」。おとなしい性格で、見た目はクール。心の中は「絶対に打たれない自信はある」という熱い男の笑みが弾けた。
勝ち続けるチームに、メンタルの強さが加わった。今季は10勝3敗。5カード中、3カードが3戦目にもつれ込みながらも確実に勝ち点をつかんだ。“勝たなければいけないプレッシャー”ではなく、“負けを怖がらない野球”があった。敗戦後のバスの中では「明日勝てればいいよ」と元気な声が飛び、すぐに気持ちを切り替えた。藤原夏暉内野手(4年=大阪桐蔭)は「今年も『大学4冠』と言われているけど、僕は一戦に対する重みが落ちるような感じがする。どんなときも一戦必勝。負けないチームにしたかった」。前だけを向いて戦った。
安藤寧則監督(48)はいつも「一枚岩」という言葉で鼓舞し続けた。最後に1点勝っていればいい。苦しくとも、勝ちへの執念が詰まった今季。エースの中西聖輝投手(4年=智弁和歌山)は「僕たちの代も、4冠に向けて始動した」と力を込めた。次は史上初の大学日本選手権3連覇だ。【保坂淑子】