
<阪神2-3巨人>◇22日◇甲子園
これが生きる道だ! 巨人田中瑛斗投手(25)が、確信と覚悟の詰まった10球で窮地を救った。
2-2と同点の8回無死満塁。4番手でマウンドに上がった。「声援は自分への応援と思おう」。阪神ファンの大歓声に気持ちを最高潮に高めた。
相対するのは森下。「ベストの球を投げ続けるしかなかった」と迷うことなくシュートを選んだ。「(阿部)監督の助言が、僕の生きる道を広げてくれた」。日本ハムから現役ドラフトで加入し、臨んだオープン戦。指揮官に「シュートを武器にしろ。良い球だ」と絶賛された。得意ではあったが、確信が生まれた。
死球でも押し出しの場面で、内角に150キロ超えを続けた。甲斐も「強さがあるまま動いている」と要求し続け、6球連続。最後は149キロで三ゴロ併殺に仕留めた。佐藤輝は申告敬遠で、続く大山にも3球連続シュート。最後はスライダーで空振り三振とし、「最高の結果」とほえた。
新天地で日々進化を感じている。チームが練習で取り入れる風船を使ったメニューに、「胸郭が広がる感覚がいい」と笑顔を見せたこともある。何より、この日通算100勝目となった阿部監督のひと言が、この日の快投につながった。「えいと(8)」の生きる道は「∞(無限大)」に広がる。【阿部健吾】