
<日本ハム2-1ソフトバンク>◇21日◇エスコンフィールド
勝負どころに強い「いつもの郡司」が、また「さよなら郡司」になった。日本ハム郡司裕也捕手(27)が同点の9回1死満塁で右前にサヨナラ打を放った。4月11日西武戦のサヨナラ2ランに続き、チーム2度のサヨナラ勝利はどちらも郡司のバット。連敗を2で止めたチームは単独首位を死守し、貯金を再び7に増やした。
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またも“さよなら郡司”がやって来た。9回1死満塁。カウント1-1からファウルで3球粘り、最後は大山の151キロ高め直球をきれいに右前へはじき返した。一塁を回ると右手を挙げ反転し、ベンチから出てきた北山と抱き合い喜んだ。「北山“さいこうき”君が最高のピッチングをしてくれていたので、負けるわけにはいかないと思っていた。何とか決めることができて良かったです」。9回122球完投の北山に、貴重な3勝目を届けた。
前の3打席は凡退も、勝負強い“いつもの郡司”が顔をのぞかせていた。「まあまあ捉えた(打球)のが正面にいってたので。(コーチの)谷内さんに『凡打がいつもの郡司っぽくなってきてる』と言ってもらって。『これは、おいしいところを持っていくパターンだな』と」。その通りになった。
4月11日西武戦では代打サヨナラ2ラン。「勝負どころこそ冷静に。絶対打ってやるという気持ち以外に、どう攻めてくるかなとか、第三の視点みたいなのを持っていったりしてます」。前打者のレイエスが申告敬遠され「一瞬この野郎と。『亀井怒りのホームラン』みたいな気持ちで行こうかなと思ったけど『ちょっと待てよ。ここは郡司勝負だろ』と」。冷静な“いつもの郡司”だった。
9回に入る際「多分まんちゅう(万波)が四球で出て、ピンさん(石井)か(清宮)幸太郎のどっちかがライト前に打って一、三塁になって、盗塁で二、三塁、モーレ(レイエス)敬遠。満塁郡司じゃんっていうのは予想してて。想定通り」。15日オリックス戦で34試合ぶりに放った安打が決勝打になった“おめざめ郡司”は「崖っぷちに立たされる方がいいんじゃないかと思い出しました」。“どたんば郡司”が、今季もファンを喜ばせる。【永野高輔】