
<DeNA10-2中日>◇20日◇横浜
有言実行の活躍だった。
DeNA牧秀悟内野手(27)が7号となる先制アーチを描き、チームの猛攻を呼びこんだ。1回1死、中日大野の初球131キロの変化球を完璧に捉えた。打球は左翼席中段へ。場内は大歓声に包まれた。勢いに乗ったチームは、2試合連続2桁安打、3発10得点と打線は火を噴いた。
初回のファーストスイングでもたらした一発回答には伏線があった。「言ったからには打たないといけないなって」。頼れる主将は朝から大忙しだった。午前10時過ぎから「星に願いを」という横浜市内の小学校を訪問する球団イベントに颯と参加。約1時間、体育館に集まった小学6年生110人を前に「夢や目標を持つことの大切さ」を語った。
質疑応答では、我こそはと挙手制で質問をぶつけた小学生から「野球の好きなところ」を聞かれた。少し考えた牧は「一番盛り上がるからやっぱりホームラン!」と笑顔で回答。打撃練習を実演した際には「打球が速すぎて見えない」と子どもたちを驚かせていた。
主将仕事のチームミーティングのため時間が限られていた牧は、一足先に球場へ移動。直後には野球の醍醐味(だいごみ)である本塁打をマーク。朝は子どもたちを、ナイターでは3万2377人が詰めかけた観客席の老若男女を一振りで沸かせた。「今日は本当に有言実行できて良かったのかな」と充実の表情で汗を拭った。【佐瀬百合子】
▷DeNA三浦監督(2戦連続2桁安打10得点で大勝)「初回牧が火をつけてくれて、2回以降も良い形で攻撃できたと思います」