
元横浜(現DeNA)監督の権藤博氏(86)が19日、東京・千代田区の日本記者クラブで「戦後80年を問う」と題し、会見した。
現役時代は中日でプレーし、プロ1年目から35勝をマーク。最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、新人王、沢村賞などのタイトルを獲得した。
現役時代、登板を重ねるタフネスぶりに「権藤、権藤、雨、権藤」という流行語も生まれた。
当時を振り返り「時代も違うんですよ。我々が投げてる時は、監督はみんな戦争帰りの人ばっかりなんですよ。弾をかいくぐって、帰ってきた人ばかりですから、投げて、次の日に『ちょっと、肘が痛い』と言ったら、『何? 肘が痛い? たるんどる。命までは取られはせん』のひと言ですからね」と回想した。
権藤氏は「そりゃ、弾をかいくぐって、帰ってきた人たちからしたら、肘が痛いとか、肩が痛いっていうのはたるんどるのひと言ですよね。だけど、そういうことは通用しないんですよ、今はね」と話した。
指導者に転身後の話を移し「2軍のコーチの時から完投したピッチャーに『投げた翌日に、今日いけるか?』と聞くんです。『ちょっと、(体は)張ってます』と。行かせるつもりはないけど。次、中1日で聞くんですよ。『張ってますけど、だいぶ治りました』と。中2日で『今日はどうだ?』と聞くと、『もう、完璧です』と言うんです。投げさせはしませんけど、だいたいどのピッチャーも中2日で大丈夫と言うんです。ということは中3日でいけるってことは、もう1日気持ちの準備があるために中4日。米国は中4日でやってる。その代わり、何ともなくても用心のために100球で交代させる、これが米国のやり方ですね」と話した。
権藤氏は、日本の中6日の先発ローテーションに触れ「何で中4日でいけるのに、中6日も休ませるのかと。野手は毎試合出て、給料はどんどん高くなってくる。いいピッチャーは1週間に1回しか出ない。そのうち、年を取っていく。中4日とは言いませんけど、すぐに中5日くらいにはやらないといかんとは思ってます」と提言した。