
<明治安田J1:川崎F2-0C大阪>◇18日◇第17節◇U等々力
川崎フロンターレはホームでセレッソ大阪を2-0で破り2連勝を飾った。2試合未消化ながら6位に浮上した。途中出場のMF瀬川祐輔(31)が決勝アシストを記録した。
0-0-の後半40分、ペナルティーエリア右角でMF大関友翔から縦パスを受けると、きれいなターンで前を向き、走り込んだFWエリソンにスルーパス。決勝点をお膳立てした。
「大関からボールが来たらターンできるイメージを持っていた。良いタイミングでパスをだしてくれたからこそ、あとエリソンが前を向いたいいタイミングで走ってくれたからこそ僕はスムーズにパスを出せた。2人に感謝したいです」
今季5度目の出番は後半35分に訪れた。MF脇坂泰斗に代わって右サイドで投入された。今季の先発は1度だけ。他は6分、4分、1分と出場時間は限られる。だからこそ期するものがあった。
「今シーズンずっと崖っぷちというか、全く評価を受けていない、そこまで(評価が)高くない立場であると感じていたので、それをひっくり返すのは結果を出し続けることだけだと思って毎日準備していた。この1アシストがきっかけになればいいなと思うと同時に、僕は全く1アシストできて良かったとも思っていないので、これがスタートラインと思ってやっていきたいです」
苦しみながらようやくたどり着いた1アシストだった。明大卒業後、J3ザスパクサツ群馬(当時J2)でキャリアをスタートし、J2RB大宮アルディージャ(当時J1)、柏レイソル、湘南ベルマーレと多くのクラブを渡り歩いた。川崎Fでは3季目。過去2シーズン、絶対的な主軸には定着していないが、サイドバックとしても起用されるなど重宝されて55試合に出場してきた。
新監督のもと迎えた今季は出番が激減。それでも腐らずに日々取り組んできた。「落ち込んだ時は、目標に対して逆算したら、目標に到達しないんじゃないかと思うようにしている。その1日やれば目標到達するかもしれないという思いで苦しいときは逆算してやっています」。シーズン終了時にどのような自分でいたいのか、そのためにやるべきことをやっているのか、自問自答しながら自分を奮起させてきた。
ピッチに入ると持ち味の積極性を存分に発揮し、攻撃を活性化させた。背後への抜けだし、サポートの顔出し、攻守の切り替え。当たり前のことを当たり前に。ピッチ上で体現した。「そこが自分の価値というか、存在意義を示す1つのプレースタイルだから」。
このアシストが序列を大幅に崩すかどうかはわからない。それでも瀬川は愚直にスタイルを貫く。「この10分、15分を無駄にしないように練習していきたい」と力を込めた。【佐藤成】