
<ロッテ2×-1日本ハム>◇18日◇ZOZOマリン
悔しいサヨナラ負けでも、希望の光がキラリ-。日本ハム達孝太投手(21)が今季2度目の先発も7回2安打無失点と好投した。打線の援護に恵まれず2勝目は逃したが、自己最多の8奪三振と安定感抜群の内容。豊富な先発陣がそろうチーム事情から19日に再び“投げ抹消”となる予定だが、新庄剛志監督(53)も「ローテーションで回してもいい」とうなる快投だった。
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達が兼ね備える“エースの器”が垣間見えた。7回無失点でも勝利が付かなかった試合後。「勝てなかったのは…チームが勝たないといけないので。自分に白星がつくかはコントロールできないですけど、自分が投げた試合で勝てなかったのは、あまり良くないこと」。勝つ流れにできなったことを悔やんだ。
それでもエース級の投球だった。6~10メートルの強風の中で直球の最速は153キロを計測。フォークも、よく落ちた。「どの球種でもカウントが取れ、最後に決めるのは真っすぐとフォークみたいなイメージで投げられたので良かった」。8奪三振は自己最多。ほぼフォークが決め球も、4回の藤岡の空振り三振はカットボール。「カットで三振も初めて取ったんじゃないかな。特に良かった」と収穫もあった。
球数も105球と、初めて1軍で100球超え。頼もしい投球に新庄監督も「達くん、良かったね。投げるたびに成長している。安心感が出てきた」とほめた。ただ、続けて「(先発)ローテーションで回してもいいぐらいのピッチャーに成長してますけど…(19日に)抹消。仕方ない。投げさせないといけないピッチャーもたくさんいるから」と苦笑い。再び1軍先発までは10日以上の期間が空く見通しだ。
達も「『投げさせてくれよ』って感じですけど(笑い)、自分の成長につながるような登板間隔にしてもらっているのと、時間がある分、しっかり調整して上がってこいよっていう意味だと捉えて切り替えてやりたい」。今季初勝利の前回に続き、群雄割拠の先発陣の中で突き抜けられるポテンシャルを、十分に証明した。【木下大輔】