
<西武3-0オリックス>◇17日◇ベルーナドーム
西武の選手や首脳陣、スタッフたちは朝5時半に起きた。
前夜までソフトバンク3連戦をペイペイドームで戦っていた。ナイターからの一夜明け。朝食をとり、バスで福岡空港へ向かい、昼前に飛行機で羽田着。再びバスでベルーナドームへ向かい…いわゆる「移動ゲーム」だ。
西口文也監督(52)は試合を振り返る。
「やっぱり移動ゲームは先発がしっかりゲームを作ってくれないと。そういう意味でも頑張ってくれました」
そうたたえたのは先発マウンドに上がり7回無失点で2勝目を挙げた渡辺勇太朗投手(24)だ。前回登板から中10日。体力も戻り、テンポ良い投球に。「結果として良い形に出ているので」と笑顔で話した。
シーズン開幕当時、先発投手陣はチームの遠征に全て同行し、遠征先での練習に参加しながら調整した。現在は登板予定のない先発投手は所沢への“居残り”に調整法を戻している。
この日のような移動ゲームでは、そのメリットが最大限に発揮される。渡辺も力を出せるよう、しっかり自分の間合いで通勤してきた。
試合前の全体練習もいつもより1時間早く、午後3時には切り上げていた。
西口監督は「過ごし方の指示? 特にしてませんよ。バッティング練習も『あ、もう終わったんだ』っていう感じで。こういう時はさくっとひと汗流して、という感じでコーチ陣も考えてたんじゃないですか」と淡々と話した。
結果的に大活躍となった1番打者の西川愛也外野手(25)は、いつもより1時間増えた試合前の時間で、まずはオリックス・エスピーノーザの映像をチェックした。そして。
「寝たかったんですけどね。寝るのちょっと怖いなと思って。寝すぎて時間なくなったりするのも」
寝ずに起きていた。気持ちをたかぶらせすぎず、逆に切ることもなく。そうやって試合前のミーティングを経て、ゲームに入っていった。
試合は夜8時半には勝利で終わった。とはいえ、起床から15時間はたっている。狭い場所と緊迫の試合を終え、ひと晩休めば、18日は午後2時にプレーボールとなる。【金子真仁】