レアル・マドリードのアンチェロッティ監督（65）がマジョルカ戦前日、「生涯忘れられない、本当に素晴らしい思い出とともに、数多くのタイトルを獲得してきた年月が終わりを迎える」と退任間近の心境を吐露した。
Rマドリードは13日にホームで行われるスペインリーグ第36節で、浅野拓磨を擁するマジョルカと対戦する。
ブラジル代表監督就任が決定したアンチェロッティ監督が試合前日、記者会見に出席したもようをスペイン紙アスが伝えた。
アンチェロッティ監督は現在の心境について「私は26日からブラジル代表の監督に就任する。大きな挑戦だが、私はまだRマドリードの監督だ。素晴らしい冒険のこの瞬間をいい形で終わらせたい。私が今後やることに皆さんが興味あることは分かっている。しかし私はここで残された日々について考えなければいけない。クラブとサポーターに対する敬意から、私はこの壮大な冒険の最後の瞬間に集中している」と率直に語った。
ブラジル代表監督就任をこのタイミングで発表した理由については「それはブラジルサッカー連盟が声明を出したからだ」と説明。
Rマドリードがアンチェロッティ監督退任をまだ正式発表していないことについては「Rマドリードは望んだ時に声明を発表するだろう。何の問題もない。それがいつになるかは分からないが、適切なタイミングで発表するはずだ。これ以上付け加えることはない」と言及した。
アンチェロティ監督はまた、なぜRマドリードの監督をもう1シーズン務められないと思ったのか、という質問に対して、「サッカーは人生と同じように始まりと終わりのある冒険だ。私は終わる日が来ることを常に念頭に置いてきた。本当に素晴らしい時間が終焉（しゅうえん）を迎える。私は素晴らしい時間を過ごしてきたが、人生のあらゆることと同じようにその瞬間が訪れる。人生が終わりを迎えるように、サッカークラブでの活動も終わりがあることを想像してほしい。私は素晴らしい時間を過ごしてきたし、それを良い形で締めくくりたいと思っている。26日に新たな挑戦について話すつもりだ。クラブと問題があったことは一度もないし、今後も決してないだろう。このクラブは私の心に留まっているし、この冒険が終わってもずっとそうあり続けるだろう。生涯忘れられない本当に素晴らしい思い出とともに、数多くのタイトルを獲得してきた年月が終わりを迎える」と返答した。
さらに何か後悔があるかと聞かれ、「何もない。ここでの最後の15日間、最高の形で過ごしたい。私はこれまで全力を尽くしてきた。タイトルがそれを物語っている」と返答。来季の監督就任が決定的となっているシャビ・アロンソに何かアドバイスはあるかという質問に対しては、「私は彼に大きな愛情がある。彼は将来、偉大な監督になるための素質をすべて備えているので、アドバイスは何もない」と答えていた。（高橋智行通信員）
