
<DeNA3-5広島>◇10日◇横浜
広島栗林良吏投手(28)が、前夜の悪夢を自ら振り払った。2点リードの9回に登板。先頭山本を3球で追い込むと、5球目カットボールで右飛に打ち取った。続く京田は二ゴロ。最後は前夜、サヨナラ打の林から外角高めカットボールで空振り三振を奪った。1点リードを守れなかった前日から一夜明けた登板でリベンジを果たし、歓喜の輪の中心で安堵(あんど)の表情を見せた。
「マウンドに上がるまでにカープファンの皆さんの声援がすごく聞こえて、より一層気合も入った。すぐチャンスをもらったので何とか抑えられて良かった」
前夜は対戦した5人の打者すべてに初球ボール球から入ったが、この日はストライクを先行させた。「ボール球を振ってもらえることもプラスに捉えたい」。カウントを優位に進められたことで、誘い球も効果を発揮した。
右肘クリーニング手術明けの今季、苦しい登板が続く。失点した登板は4度を数え、防御率は5点台。4月5日DeNA戦ではイニング途中での降板をよぎなくされた。「それは今の自分の立ち位置。結果で信頼を勝ち取るしかない」。5月は6試合に登板して防御率1・50と、復調気配はある。
前日、延長10回にサヨナラ打を浴びた森浦も、8回を3者凡退に切って栗林につないだ。新井監督は「昨日の今日、すぐにやり返せたのは彼らにとっても良かったんじゃないかな」と振り返った。前日崩れた勝ちパターンで逃げ切りに成功。敵地・横浜での連敗を8で止めた。【前原淳】