
<阪神大学春季リーグ優勝決定戦:大産大8-0関西外大>◇8日◇大阪・GOSANDO南港
阪神大学春季リーグ優勝決定戦が大阪市のGOSANDO南港で行われ、大産大が08年秋以来の優勝を果たした。同率首位の関西外大との大一番で打線が11安打8得点と奮闘。プロ注目の小出望那(もなく)捕手(4年=大産大付)の好リードが光った。7回コールド勝ちで第74回全日本大学選手権(6月9日開幕、神宮・東京ドーム)の出場権を獲得した。関西外大は、悲願の初優勝を逃した。
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大産大が優勝決定戦の大一番を制した。7回コールド勝ちの快勝で、21個目のアウトを取ると歓喜の輪ができた。強肩強打の捕手でプロが注目する小出は先発高橋克弥投手(4年=高知)を7回無失点で好リード。「ほっとしています。うれしい。『いつも通りで』と声をかけていました」と喜んだ。
小出は約170人の部員を束ねる主将。「(8連覇の)天理大の優勝を見てきて、悔しい思いをした」。頂点へ向かうため、作戦を練りに練った。今春には改革に踏み切り、集合時間をこれまでより1時間早めて、早朝会議を実施、練習後には辻野啓大捕手(4年=福知山成美)が振る舞う手料理を囲んで何度もナインと作戦会議を開いた。希望進路をプロ1本に明言。6月の全日本大学選手権に向け、「意識せずしっかり戦いたい」と気合を入れた。
同大学OBでコーチを経て、今春就任した市川哲也監督(47)は「1年目からこんな幸せはない。リーグを代表して頑張りたい」とかみしめた。【中島麗】
○…関西外大は悲願の1部初優勝を逃し、試合後はナインのすすり泣く声が響いた。打線は7回までに8安打を放つが、無得点に終わった。西浦敏彦監督(62)は肩を落とし、「ここまでいけたという気持ちと、ここまでしかいかれんのかという気持ち」と語った。昨春まで2部、1部昇格後の昨秋は5位。「本当の意味で(チーム力が)まだない。僕も勉強しないといけない」と躍進にも表情を引き締めた。