
西武の山野辺翔内野手(30)がヤクルトに金銭トレードで移籍することが1日、発表された。
西武はこれで支配下選手がマイナス1の65人となり、7月末が契約期限となる支配下枠は残り「5」になった。広池浩司球団本部長(51)は「編成上、うちには若い育成選手もたくさんいますし、1つ枠が増えるということも我々にとっては悪い話ではないという判断を、最終的には私がしました」と明かした。
4月終了時点でリーグ3位にはつけている。状況次第では新外国人選手の獲得やトレードもありえるが、広池本部長の言葉通り、28人いる育成選手は今回でチャンスが広がったといえる。本部長は「適切なタイミングでしっかりした対応をしていきたい」と話すにとどめる。
最も旬なのは大阪桐蔭出身のスラッガー、仲三河優太外野手(22)だろう。3軍でも2軍でもOPSが1を超え、2軍では1試合3本塁打や左翼へのエンタイトル二塁打など、ありあまるパワーを発揮している。
ネックは守備。1軍レベルとなるとDHや代打起用が予想され、セデーニョや中村剛、栗山と求められる役割が重なる。セデーニョが不調で2軍再調整となったが、イースタン・リーグでは2試合連続本塁打と少しずつ上げてきている。このあたりとの兼ね合いになる可能性はある。
打の仲三河と比較されそうなのが、育成3年目のモンテル外野手(25)だ。オープン戦終盤まで1軍に食らいつき、守備や走塁はすでに1軍レベルに達する。1軍の外野レギュラーは固まりつつあるが、シーズンを通しての活躍は未知数ではある。
1軍の若い野手陣は全体的に調子を上げている。一方で広池本部長は4月末時点での戦力として「私たちの想定より得点力が上がっていないのは事実です」とも話しており、この先のチーム事情で2人の需要も変動していきそうだ。
リリーフも手薄といえる。トミー・ジョン手術を受けた左腕の佐々木健投手(28)も2軍登板まで戻ってきた。球速も150キロに達している。ただ一般的に同手術から回復し、いきなりフル回転というのも容易ではない。右上腕動脈閉塞(へいそく)症から実戦復帰した森脇亮介投手(32)とともに、慎重にそのタイミングを見極めていくことになりそうだ。
プロ1年目のオフに戦力外通告を受けた宮沢太成投手(26)も2軍ではリリーフで好投を続け、1イニングあたりに許す走者数は「1」を切る。右肩のコンディショニング不良で一時的に戦線離脱したが、先発候補としては上間永遠投手(24)もファーム開幕から好調。ゴロを打たせる投球は、先発投手陣のアクセントになりうる存在だ。
1軍でも競争が活発化している二遊間は、むしろ今の流れでは次代候補の“昇格”は微妙か。とはいえイケメンぶりでも話題の2年目の金子功児内野手(21)とルーキーの佐藤太陽内野手(22)は、好アピールを続けている。絶対数が少ない捕手では“火縄銃”こと是沢涼輔捕手(25)も力を付けてきている。【西武担当=金子真仁】