
中日は1日、岡田俊哉投手(33)の育成から支配下復帰会見をバンテリンドーム内で行った。「今はうれしい気持ちでいっぱい」と笑顔を見せた。
「210」から変更する背番号は入団時から2年間つけていた「11」。メジャー、ナショナルズに移籍した小笠原慎之介投手(27)からも米国に渡る前に「ぜひつけてほしい」と言われていたという。
今季は1軍キャンプスタートで、2軍では登板3試合すべてで先発し15回、3失点、自責0の防御率0・00。井上一樹監督(53)は「ショートでもロングでも先発でも」と幅広い起用法でチームを支えてもらう考えを明かした。
23年春季キャンプの練習試合登板中に、右大腿(だいたい)骨を骨折した。投球中に地面についた右足を滑らせて転倒した。自力で起き上がれず、騒然とする球場に救急車が入り、マウンドに横付けされた。その場での処置が早く後遺症は残らなかったが「折れるはずのない骨が折れた。まず立てない。足も曲がらなかった。まず歩けるようになればいいかな、日常生活が普通におくれれば100点じゃないかな」と、再び投げられることが考えられる状況ではなかった。
周囲の支えが大きかった。「本当に僕の力じゃない。SCの方(コンディショニングコーチ、トレーナーら球団スタッフ)、手術してくれた先生、みんなが復帰させようとしてくれた。僕はそれに乗せてもらってここまできた。その人たちにいい姿、復帰した姿を見せたい」と、に感謝した。
実戦復帰した昨年5月ごろから「手応えはあった」と、そこからは再び2桁の背番号に戻るため、結果を重ねてきた。「投げる怖さは今でもあります。全然。でも、それよりも投げたい(気持ち)が勝っているので投げられますけど、怖いのは怖い。やっている時は抜けないと思う。でも1軍で投げたいという思いがあった」と、正直な思いを話した。
09年ドラフト1位で智弁和歌山から入団し今季がプロ16年目。ケガした時はサイドスローだったが再び上投げに戻した。通算350試合に登板し19勝23敗19セーブを誇る左腕が、大けがを乗り越え帰ってきた。【石橋隆雄】