
<中日5-4阪神>◇30日◇バンテリンドーム
敗戦の中、阪神佐藤輝明内野手(26)が元気な姿を見せた。
1点を追う6回無死満塁。近本、中野、森下が安打と四球でつないだチャンスをモノにした。昨季は4打席無安打に抑え込まれた祖父江に対して、初球から勝負。甘く入った135キロスライダーをきっちりミートし、逆方向の左翼にライナーではじき返した。
「いい反応ができたと思います」
悠々と三塁ランナーを生還させる同点適時打。トップで並んでいた巨人岡本を抜き去る24打点目を挙げ、セ・リーグ単独トップとなった。今季9号ソロを放った前日に続く、2日連続の打点。本塁打と打点でリーグ単独の2冠だ。
4月最終戦となったこの日。終わってみれば月間打率2割8分2厘、8本塁打、22打点の数字を残した。今季は3月28日の開幕広島戦の初回初打席で、いきなり勝負を決める1号2ラン。だが、以降は16打席連続無安打と快音から遠ざかった時期もあった。苦しんでいた開幕当初の姿は、今やどこにも見当たらない。4番として、チームをけん引し続けている。
延長10回2死には藤嶋の139キロ逃げ球をすくい、再びライナーで運ぶ左前打。終盤まで集中力を切らすことなく、今季8度目のマルチ安打を決めた。試合後、月の変わり目について問われると「頑張ります」とひと言。再奪首へのリスタートとなる5月。打線の中心には変わらずテルがいる。【波部俊之介】