
<ソフトバンク1-6日本ハム>◇30日◇みずほペイペイドーム
まさか、4番まで…。ソフトバンク山川穂高内野手(33)が日本ハム4回戦(みずほペイペイドーム)で左太もも裏の張りを訴え、途中交代した。1-3の7回の守備からベンチへ。山川本人は無事を強調し、小久保裕紀監督(53)は5月1日以降の起用に慎重な姿勢を示した。守備の要の今宮健太内野手(33)も、右ひじ付近に死球を受けて交代。今季2度目の4連敗を喫したチームに、アクシデントが襲いかかっている。
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今季2度目の4連敗。借金「6」はワースト更新。みずほペイペイドームで2勝10敗1分け。目を覆いたくなる成績に加え、またも主力にアクシデントが起きた。昨季のリーグ王者ソフトバンクの負の連鎖が止まらない。
2点を追う7回だった。「4番一塁」の山川がベンチに下がった。4回の守備中、左ハムストリングスに強めの張りを覚えたという。試合後、山川は通常通り歩いて駐車場に向かった。穏やかな表情で、状況を説明した。
「いけるとは思ったんですけど、明日以降しっかり出るために我慢しました。無理したいところですけど、どうしようって思ったんですけど、明日から出れるように」。
主砲にとっては苦渋の決断だった。シーズンは長い。目先の1打席より長期離脱を防ぐ方策を取った。「1カ月~2カ月離脱となったらダメなので」。本人は5月1日以降も「出るつもり」と意欲を示したが、小久保監督は慎重。「明日になってみないと分からない」と即答を避けた。
小久保政権の全試合で4番を務め、今季は打率2割、5本塁打、14打点。周東、柳田、近藤がいない打線で不動のポイントゲッターだ。山川まで離脱となれば、緊急事態を超える。8回には、名手・今宮が右肘付近に死球を受けて交代した。今宮は病院に行く予定はなく、軽傷の模様。ただ、ベンチは冷や汗を流し続けた。
試合は4回に1イニング2失策を記録するなど、3失点。唯一の得点も相手の適時失策だった。4月終了時点で借金「6」はダイエー時代の96年以来29年ぶり。試合後は首脳陣と選手で緊急ミーティングを開き、5月反攻に向けて切り替えを誓った。小久保監督は言う。「明日から新しい月ですから」。山川は言う。「このまま終わるつもりはもちろんない」。アクシデント多発のソフトバンク。流れよ、変われ。【只松憲】