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【西武】「雷神」高橋光成に597日ぶりのライジング・サン 抱擁と歓声「ずっと泣きそうでした」


西武ライオンズの高橋光成投手が、597日ぶりに勝利を収めた。彼は20試合連続での白星を逃しており、その間に投げた球数は1966球。西武球場で3000試合目となる記念すべき試合で、高橋は楽天相手に6回無失点の力投を見せ、チームを勝率5割に戻した。この勝利により、高橋は苦しみと葛藤をようやく乗り越え、チームやファンの期待に応えた。打線も高橋を支え、特に4回の長谷川の適時打が大きな助けとなった。雨降りの雷神にようやく光が差し込む時が訪れた。

西武対楽天 597日ぶりの勝利を納め、ファンの声援に応える西武高橋(撮影・狩俣裕三)

<西武7-1楽天>◇29日◇ベルーナドーム

雷神の顔がやっと晴れ渡った。またぐこと3シーズン、20試合連続で白星から見放されていた西武の高橋光成投手(28)が、597日ぶりに勝利投手になった。

その間、実に1966球を要した。笑顔に隠してきた苦しみ、葛藤。チームを再び勝率5割に戻す6回無失点の力投での「1勝目」は、西武球場通算3000試合をも彩った。去年とはやっぱり違う-。西武にも光が差してきた。

   ◇   ◇   ◇

チームは結局、人と人とで作られる。みんな失敗の連鎖を経験しているから、誰もが優しい。高橋は次々に抱きつかれた。ファンの声援も心のど真ん中を貫いてくる。「ずっと泣きそうでした。こらえてました。いつ泣いてもおかしくなかったです」。目の潤みを引っ込ませ、ほんの数分前の歓喜を懐かしんだ。

初回は暗雲の幕開け。連続四球後、すぐに内野陣が集まってきた。「みんなが集まってくれるだけでも力になる」。過去は過去。動じずに目の前に集中だ。球速とか球数とかアウト内容の問題じゃない。6回をゼロで抑えきって、運命の試合終了を待った。

正解なき597日。「何をしてもうまくいかなくて、もがいてもがいて、すごく苦しくて」。勝利こそが正解だ。投球で目線を動かさないこと、左肘を的確に使うこと。それを徹底して体に落とし込むこと-。

2月の南郷キャンプ。毎朝1人でいた。飫肥杉の隙間から朝日が差し込む極上の静けさの下、息づかいだけが響く室内練習場。やるべきことは毎朝同じ。時折光に照らされる。1度2度とシャッターを鳴らす。わびる。「いえ、まじで集中しているので何も聞こえてないんです」。そうやって高橋光成を磨いた。

勝てないエースには批判も飛んだ。投手は大変だ。「投げないと試合が始まらないので、すごく責任はありますよ。マウンドだとやっぱり孤独になりやすいのもあるし」。

最後は自分が投げねばならない。勇気の源泉を絵にも求めた。武人画家のこうじょう雅之氏に依頼。水墨画のタイトルは「“雷神”高橋光成図」。自宅の玄関、入って左側に飾っている。「毎朝、あの絵で奮い立たせています」。

そんな雨降りの雷神にようやく訪れた“ライジン”グ・サンの時。「今日はちょっと光が見えました」と日の出もまばゆい。何度も仲間に感謝し、ファンに感謝し、でも落涙はない。「1年間投げて、最後の最後に。最高の1年にしたいですから」。あまりにも長いトンネルの先は、大好きな緑いっぱいの季節だった。【金子真仁】

○…高橋の597日ぶり勝利を打線もアシストした。「光成さんの勝利に貢献できるように」と燃えた4回の長谷川の適時打は、2死走者なしからの滝沢、児玉の連続四球から始まった。結局7得点のうち5点が2死走者なしから、という見事な展開。西口監督も「みんな打つだけじゃなく四球も選べていますし、つながりは出てきている」と手応えを口にしていた。

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