
<ジャイアンツ3-2レンジャーズ>◇27日(日本時間28日)◇オラクルパーク
ジャイアンツが珍プレー「リトルリーグホームラン」でサヨナラ勝ちした。
2-2で迎えた9回裏、ジャイアンツの先頭打者エリオト・ラモス外野手(25)は、初球のスライダーを引っかけた。ホームベースのすぐ前でバウンドした打球は、飛距離61センチというボテボテの投手左へのゴロとなった。ルーク・ジャクソン投手は素手で捕球し、そのまま一塁へ体勢を崩しながら投げたが、悪送球となった。
ボールは一塁と右翼の間のフェンスまで転がった。一塁手のバーガーが送球に追い付いた時には、打者走者のラモスは一気に三塁へ向かっていた。バーガーは慌てて三塁へ送球したが、これが左翼側にそれる悪送球に。三塁へスライディングしたラモスはすぐに立ち上がり、一気に本塁へ駆け込み、ヘッドスライディングで生還した。記録は投手への内野安打とジャクソン&バーガーの送球エラーとなった。
本塁まで18・67秒で走ったラモスは、MLBコムに「とにかく一塁に行こうと思った。送球を見て二塁に向かった。正直、誰かがバックアップしているのかも分からなかった。とりあえず二塁で止まったけど(三塁コーチの)マット(ウィリアムズ)が手を振って私を呼んだので、そのまま進んだ。三塁でボールが飛んでいったのを見て、進み続けた。安全策を取ろうとしていたんだけど、結局うまくいったよ」と振り返った。
メジャーリーグでは、失策が絡んで打者走者が一気に生還するプレーを「リトルリーグホームラン」と呼ぶことが一般的となっている。
発端となる悪速球を犯した投手のジャクソンは「『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』みたいだった」と、不幸の連続が起きる児童書を原作とした映画を持ち出して嘆くしかなかった。
ジャイアンツは、23年7月29、30日以来2年ぶりとなる2試合連続サヨナラ勝ちを、思わぬ形で拾った。メルビン監督は「本当に全体的にクレイジーだったね」と振り返った。ラモスは「きっと打者のミーティングで、これは私をからかう笑い話になるだろうね」とにんまりだった。