
<東京6大学野球:明大7-7慶大>◇第3週2日◇27日◇神宮
明大と慶大の2回戦は、3時間44分の激闘の末、延長12回引き分けとなった。 5回までに4点リードしていた慶大は、8回に同点に追い付かれ延長戦へ。延長12回表、2点勝ち越され敗戦ムードが漂う12回裏。2死一、三塁から5番中塚遥翔外野手(2年=智弁和歌山)が甘く入った真っすぐを捉え、左越え適時三塁打で同点に追い付き連敗を阻止した。
中塚の打球がレフトの頭上を越えた瞬間、8回途中からマウンドに上がっていた西武球団本部長の広池浩司氏を父にもつ広池浩成投手(3年=慶応)の目に涙が浮かんだ。「中塚なら、絶対にやってくれると思って見ていました…」。負けを消した中塚に何度も「ありがとう」と感謝した。
チームの一体感が粘り強さを生んだ。広池は「勝ち越されましたが、1球1球全力で。チーム一体となって投げることを考えながら投げました」と、振り返った。前日の1回戦では9回裏、1点返され2-2の2死三塁の場面でマウンドに上がり、サヨナラ打を浴び敗戦。「悔しくて。昨日の夜は、何で打たれたんだろう、とずっと考えました」。シャドウピッチングで何度もフォームを確認。「今日は絶対にやり返してやる」と強い気持ちでマウンドに上がり4回2/3を投げ2安打2失点。チームの思いを背負って、腕を振った。
同点打の中塚は、寮では同部屋で仲良し。「中塚が同部屋になってからにぎやかになって、家族のような感じで、今まで以上にチームを意識するようになりました」。全員でつなげた第3戦。第1戦は悔し涙。第2戦はうれし涙の広池は「感情が忙しいです!」と、真っ赤に腫らした目で、笑った。