
巨人山崎伊織投手(26)が球団記録に並んだ。5回まで「0」を並べ、開幕からのオール無失点を28回に。
球団では07年高橋尚の28イニングの最長記録に到達し、「ピンチも多い中、甲斐さんに声やジェスチャーで引っ張ってもらい、何とか0点に抑えることができました」と感謝した。
今季初登板の4月2日中日戦から3戦3勝で迎えた4登板目だった。初回、2四球でランナーを背負いながら0発進すると、今季取得した、浅く落ちるフォークを軸に回を重ねた。
最大の危機は4回。1死満塁で迎えたのは木下。2球目のスクイズを読み切ってファウルにさせ、強気の内角攻めを続けると、5球目に147キロのシュートでバットをへし折った。三塁ゴロに仕留め、続く柳も投ゴロに。自ら本塁に送球して窮地を切り抜け、「イオリ! イオリ!」の大歓声の中を微笑で引き揚げた。5回も2死一、三塁で細川を右飛で28イニング目の「0」をマーク。5回裏に代打が送られ、103球でマウンドを降りた。
“開眼”は開幕直前だった。オープン戦で5試合で防御率6・48と苦しんだ原因を探り、「打ちやすいというか、ボールが見やすいとか、角度がないとかなのかな」と行き着いた。手を付けたのは「いじると良くない」と理解はしていたテイクバックだった。
「より自分に巻きついて投げるイメージ。小さく、頭がぶれずに体がしっかり回って、腕が小さい所を通ってパチンと回れば」と模索。バットとの接点を後ろに下げて差し込めると踏んだ。思い切った決断からしばらく後。「これはいいかも。(微修正が)ポンと押し上げてくれた感じがします」と手応えをつかみ、快挙につなげた。【阿部健吾】