
<スペインリーグ:ビリャレアル2-2Rソシエダード>◇20日◇第32節◇エスタディオ・デ・ラ・セラミカ
【ビリャレアル(スペイン)=高橋智行通信員】日本代表MF久保建英(23)が所属するレアル・ソシエダードは敵地でビリャレアルと2-2で引き分けた。定位置の右サイドで2試合連続スタメンとなった久保は後半41分までプレーした。チームは勝てば来季の欧州リーグ出場圏内の7位浮上のチャンスだったが、勝ち点1の積み上げに終わった。
Rソシエダードは前節マジョルカ戦に敗れ、スペインリーグで4試合ぶりの黒星を喫し、9位に後退した。主力のスベルディア、アゲルド、バレネチェアなど6人をけが、中盤の要スビメンディを出場停止で欠く厳しい状況下、アルグアシル監督はマジョルカ戦からスタメン3人を入れ替え、4-3-3で臨んだ。久保は2試合連続の先発出場となった。
ビリャレアルは5位の座をキープし、欧州チャンピオンズリーグ出場権獲得に大きく近づいている。バエナ、ジェラール・モレノなど4人をけが欠く中、マルセリーノ監督は勝利した前節ベティス戦から先発1人を変更し、4-4-2で戦った。
前半立ち上がり、両チームがボールキープを試みる中、Rソシエダードは4分に最初の決定機を得る。相手のミスからパブロ・マリンが強烈なシュートを打つが、GKルシオにファインセーブされた。
対するビリャレアルは7分、カルドナが左サイドから入れたグラウンダーのクロスが流れたところ、ジェレミ・ピノがファーサイドで正確に合わせ、早々に先制点を手に入れた。
ビリャレアルが前線のバリーやアジョセを中心にさらに攻めるもチャンスを生かせず、Rソシエダードは反対に19分、バリーのハンドで獲得したPKをオヤルサバルがルシオの手を弾きながら左下隅に決めて同点にした。
この得点で調子を上げたRソシエダードは28分、久保が右サイドから上げたクロスがゴールに飛ぶも、ルシオに触られた後、クロスバーの上に当たり、惜しくも得点にならなかった。
追加点が生まれない、拮抗(きっこう)した状態が続く中、ビリャレアルは36分にCKからフォイスがヘディングシュートを放つがポスト直撃。一方、Rソシエダードは45分、久保が右サイドから入れたクロスをスチッチがゴール前で合わせるがルシオに防がれ、前半は1-1で終了した。
Rソシエダードは後半、スチッチに代えてパチェコを投入し、3バックに変更した。そして4分、オヤルサバルがバックパスを受けたルシオに激しいプレスをかけ、ボールを蹴ろうとした瞬間に足でブロック。そのボールがそのままゴールに入り、逆転に成功した。
それ以降、1点を追うビリャレアルペースとなり、15分にジェレミ・ピノが左サイドから上げたクロスを、ゴール前でフリーだったアジョセが頭で合わせて同点にした。さらに23分、フォイスのパスからジェレミ・ピノがゴールネットを揺らすも、わずかにオフサイドで取り消された。
観客の大声援を受けたビリャレアルはその後も相手ゴールに迫り、39分にCK後の混戦からゲイェが鮮やかなボレーを決めるが、シュートコースにいたアジョセがオフサイドを取られた。
さらにビリャレアルは後半アディショナルタイムの50分、ペペのクロスからエタ・エヨングがゴールネットを揺らすも、ペペが右サイドを突破した際にハビ・ロペスを倒したプレーがファウルを取られ、またもやノーゴールとなった。
Rソシエダードは後半、守備的なシステムに変更したにもかかわらず防戦一方となって大いに苦しむも、3度のゴール取り消しにも助けられ、2-2で引き分けた。試合後、ゴールを3度取り消されたことにより、スタンドのビリャレアルサポーターから審判団に大ブーイングが飛んでいた。
Rソシエダードの32試合12勝6分け14敗の勝ち点42で欧州カップ戦出場圏内一歩手前の9位。ビリャレアルは1試合未消化ながら、31試合14勝10分け7敗の勝ち点52で5位の座をキープしている。