
【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)2日(日本時間3日)=斎藤庸裕】歴史をつくる男は、やはりドジャース大谷翔平投手(30)だった。「1番DH」で出場したブレーブス戦で5打数3安打。同点の9回、守護神イグレシアスから劇的なサヨナラ弾を放った。チームは序盤で5点を追う展開から追いつき、開幕8連勝を飾った。前年のワールドシリーズ覇者に限れば史上初のロケットスタート。今季初の大谷ボブルヘッド(首振り人形)デーを劇的弾で飾った。
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笑顔を携え、右手人さし指を何度も夜空に掲げた。大谷が、らしく決めた。同点の9回1死、バックスクリーン左へのサヨナラ弾で劇的な幕切れだ。自身の首振り人形が来場者に配布された一戦での1発に「そういう日を作ってもらって、そういう日に打てるのは、本当に選手にとっては特別なことかなと思うので。いい夜だった」。ホームベースに出来上がった歓喜の輪に飛び込み、ペットボトル発の“シャワー”をかけられ、同僚とハイタッチを連発。大きな声を上げ、目いっぱい喜びを分かち合った。
この日の主役は、打席の直前に本塁打をオーダーされていた。試合後のヒーローインタビューで「観客の後ろの方から『ボブルヘッドデーなんだからホームラン打てよ』みたいに言われたので、ハハハ。打ててよかったなと思います」と明かし、笑わせた。9回1死、打席に入ると大勢のファンが立ち上がり、声援と拍手を送った。クライマックスで、サヨナラ弾を期待する雰囲気が充満。主役が一発で決める-。その舞台が整い、まるでシナリオが描かれていたかのように、守護神イグレシアスの初球チェンジアップを捉えた。
同僚が劇的ドラマのお膳立てをしてくれた。5点を追う展開から徐々に追い上げ、8回にマンシーの適時二塁打で同点。「タイ(同点)になった時点で、うちの流れなのかなって。あのヒットが本当にチームを救ってくれたのかなと思います」とベテランの一打に感謝だ。9回の打席では「シンプルに甘い球を打つ、ボールだったら(四球で)出塁できれば」と意識しながら無心でスイング。「今まだ何を打ったかちょっと分かってないので、そのぐらい自然に反応できている」と手応えを口にした。
前年覇者の開幕8連勝は史上初。歴史的なロケットスタートだ。「先に点を取られてもブルペン(救援陣)が踏ん張ってくれる、打線が取り返してくれる。またその逆で、打てなかったとしても、先発、ブルペンがしっかりと試合を続けてくれる、そういう信頼関係がある」。大谷は投打の安定感にうなずいた。ワールドシリーズ連覇を目指す今季。21世紀以降、この快挙を達成した球団はない。だが、ド軍には歴史をつくる男、大谷がいる。