
【アナハイム(米カリフォルニア州)24日(日本時間25日)=四竈衛】「二刀流」としての完全復活を目指すドジャース大谷翔平投手(30)が、29日(日本時間30日)にブルペンでの投球練習を再開することになった。キャンプ中の2月25日を最後に本格投球を回避していたが、すでに打者としては開幕済み。今後は、DHで実戦に出場しながら、「投手大谷」としての本格調整を並行して進めていく。
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一時中断していた「投手大谷」の復帰プランが、米国での開幕後に再スタートする。エンゼルスとのオープン戦の試合前、ロバーツ監督が、大谷の練習予定を明かした。「土曜日(29日)にブルペンへ入って、その後、いいプランを考えていくことになる」。この日を含めキャッチボールは定期的に継続してきたが、体への負担が大きい日本遠征を挟むこともあり、キャンプ中に下方修正。具体的な復帰日程を定めることなく、慎重に進めてきた。
ド軍首脳陣や医師団が細心の注意を払うのも無理はない。前回手術後、大谷は19年を全休し、コロナ禍で短縮された20年は右肘に違和感を訴え、わずか2試合の登板にとどまった。さらに、今回は攻撃の軸として出場しながら実戦登板を並行する、前代未聞のリハビリとなる。キャンプ中にはブルペンに4度入り最多30球と肩自体に問題はなく、今後、数回のブルペン投球を経れば、実戦投球への移行も遠くはない。現段階で「投手大谷」がマイナーへ出向いてリハビリ登板する可能性は低く、本拠地でのナイター前にマイナー選手らを相手に“模擬試合”を行う案なども検討されている。
ロバーツ監督は具体的な目安ではなく、あらためて球団としての明確なビジョンを口にした。「2度目のトミー・ジョン手術を経て、メジャーリーグの打者として準備し、左肩の手術も経験した。2025年で最も大事なことは、(ポストシーズンの)10月まで乗り切ることだ」。古巣エ軍相手のオープン戦に出場した大谷は、2打席連続三振に終わり、試合中にクラブハウスを後にした。打者として結果を求められながら、投手としても仕上げていく行程は、決して簡単ではない。超人大谷は、どこまで「二刀流」のレベルを上げて復活するのか。そのための準備が、いよいよ最終段階に入っていく。