
<イースタン・リーグ:DeNA-巨人>◇20日◇横須賀スタジアム
復活の階段を、着実に上がる。巨人田中将大投手(36)がDeNA2軍戦(横須賀)に今季4度目の先発登板。4回7安打1失点でゲームをつくった。最長の4イニングを投げ、球数も前回登板から約30球増の今季最多75球。2度の満塁を切り抜けるなど、今年37歳を迎える熟練の投球が光った。シーズンデビュー戦が濃厚とされる開幕2カード目の4月3日中日戦(バンテリンドーム)に向けて、また1歩を刻んだ。
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確かなステップを踏んだ。中10日の実戦で試合をつくり「なんとか1失点に粘りながらピッチングはできた」と振り返った。一方で、長打は許さなかったが、7安打中6本が左打者。「対左に対してよく打たれてしまった」と、出た課題にも向き合っていく。
熟練の投球が光った。この日の最速145キロ直球に140キロ超えのカットボール、スライダーなどを織り交ぜながら打たせて取った。毎回、走者を背負いつつ、2度の満塁をともに投ゴロで打ち取った。
田中将の投球を初めてベンチから見た桑田監督も、大崩れしない投球に目尻を下げた。「2ストライク目のボールに苦労してましたけど、いいボールもたくさんあった。ストレートもあと2、3キロは上がってくると思うので、今のままでも十分やれる」とうなずく。さらに「今年マー君はいくつになるのかな?」と投げかけ「37歳のピッチングをすればいいと思う。どうしても選手は全盛期の自分を追い求めてしまうんですけど、今年のベストにフォーカスしていけばアウトを取れる」と語った。
久保巡回投手コーチも、実績のある投手が開幕前に2軍戦で登板するやりづらさに触れた上で「その中でもゲームをしっかりやってくれていたので、非常に頼もしく思えますね」と評価した。同コーチと二人三脚で取り組む新フォームもなじんできた。開幕までいよいよ大詰め。田中将は「始めた当初よりもいい感触になってきていますし、まだ上がっていくと思います」と、完全復活ロードを駆け上がる。【佐瀬百合子】