
<オープン戦:ヤクルト5-5阪神>◇18日◇神宮
大リーガー相手に活躍した若虎たちが、自信を活躍につなげた。16日のドジャースとのプレシーズンゲームで決勝3ランを放った3番佐藤輝明内野手(26)が、3回に反撃の口火を切る適時打。2連戦とも安打を奏でた4番森下翔太外野手(24)も連続タイムリーで続き、4打数3安打2打点。投げては15日のカブス戦で1回3三振を奪った工藤泰成投手(23=四国IL徳島)が、ワンポイント起用に応えてサンタナ斬りの快投。それぞれが“進化を発揮”し開幕へ視界良好だ。
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豪快なフルスイングではない。3番佐藤輝の進化は、確実性を増したコンパクトな一振りに表れていた。3回2死一塁、カウント2-2。ランエンドヒットがかかった場面で、奥川のフォークを引きつけてミート。中前に落とす適時打で一気に一塁走者を生還させ、メジャー2球団との2試合を含めて3戦連続打点だ。
佐藤輝 追い込まれてからだったので。対応できてよかったです。
16日のドジャース戦では、サイ・ヤング賞2度の左腕スネルの152キロ直球を捉えて3ラン。追い込まれてからコンパクトなスイングを意識した1発で「対応力というところで、引き出しが1つ増えた気がした」と語っていた。この日も同様の「コンパクト」な打撃意識を貫き、「それはあるかもしれないです」とうなずいた。昨季は2ストライク後の打率が2割2分4厘。だが対応力を手にした今季は、ひと味もふた味も違う。
メジャーとの2試合で自信をつかんだのは、佐藤輝だけではない。直後の2死一塁、4番森下が右中間をライナーで破る適時二塁打で続いた。前打席で右前打、7回1死一、三塁でも中前適時打を放ち、3安打2打点。「メジャーと試合をやってからすごく自分の中でも形ができてきた。タイミングとか姿勢の部分ですね」と手応えを明かした。
オープン戦打率は12日の西武戦時点で1割3分3厘。波に乗りきれない状態が続いていたが、15日のカブス戦で1安打、16日のドジャース戦ではスネルから左翼線へ痛烈な二塁打を放った。つかんだ復調のきっかけを、この日の快打につなげた。
森下 あの貴重な経験をしっかり生かさないといけない。自分の中で落とし込めたらなと思います。
夢舞台を経て、虎の3、4番コンビは一層たくましくなった。【波部俊之介】