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関東第一の選手が米沢貴光監督と座談会…高校野球に“ありがとう”の思い込め飛躍誓う


2023年3月5日、関東第一高校の卒業式が行われ、昨夏に甲子園で準優勝を果たしたチームメンバーや米沢監督が3年間の高校生活と昨夏を振り返りました。夏の東東京大会では、選手間のミーティングや試合での苦戦を経て結束を高める過程がありました。甲子園大会中は、選手たちはストレスを感じることなく試合に挑み、一戦一戦全力を尽くしました。決勝では京都国際に敗れたものの、監督や選手たちは貴重な経験を通じて成長し、次のステージへの期待を語りました。彼らは「関東第一の最高の成績」を残し、これからの道でのさらなる飛躍を誓いました。

卒業式を迎え、和やかに3年間を振り返る(左から)主将の高橋、米沢監督、坂井、熊谷(撮影・保坂淑子)

<関東第一卒業式企画:甲子園編>

昨夏の甲子園、チームとして初の準優勝に輝いた関東第一(東京)の卒業式が3月5日行われました。

新たな歴史を築いた夏を、米沢貴光監督(49)、主将の高橋徹平内野手(現中大1年)、坂井遼投手(現ロッテ)、熊谷俊乃介捕手(現東洋大1年)が、前回の“高校3年間編”に続き、昨夏を振り返りました。涙で終わった夏も、これからの活躍の糧に、それぞれの道で、さらなる飛躍を誓いました。3年間の高校野球に“ありがとう”の思いを込めて。【取材/保坂淑子】

   ◇   ◇   ◇

-このチームが挑んだ夏はどうだったのでしょう? 高橋 6月中旬かな。AチームとBチームとの間に距離間が出て。それを戻すのに苦労した時期がありました。

坂井 選手だけでミーティングをして、言いたいことを言いあったよね?

高橋 1人1人、思っていることをぶつけ合って。

-キツいことも言われた?

高橋 坂井は結構、ボロボロに言われたよね?

米沢監督 なに、ヒドいこと言われたの?

坂井 嫌われていたのかも…(苦笑)。

熊谷 いや、チームのため、オマエのために言ったんだよ。

米沢監督 遠慮せずに?

高橋 そうです。

米沢監督 何かしら足りないことがあるのは仕方ない。夏前に気持ちをぶつけ合ったのは良かったのかもしれないね。だからかなぁ。その頃からチームは少しずつ変わっていったのが目に見えてわかった。ここを越えられればこのチームは変わるかもしれない、と。みんなにもこの時期、正直に「甲子園が見えてきたぞ」という話をしたのをよく覚えている。夏の東東京大会の組み合わせが決まっても、選手たちは落ち着いていた。ちょっと感じるものはあって「このチームに、甲子園の匂いがしてきたよ」とも話はしたよね。それなのに、夏の初戦では坂井君が打たれて…(対芝戦。延長10回、4-3でサヨナラ勝利)。

坂井 あ~! 5月はめちゃくちゃ調子がよくて。そこでちょっとテングになっていました。

熊谷 8回表まで負けていて、その裏でやっと同点に追い付いて。正直、試合中に「明日から引退ライフか~」って考えちゃいました(笑い)。

米沢監督 苦戦すると予想はしていたけど、先制されて追いかけるのは大変だったな。

-そのチームが甲子園準優勝!

米沢監督 負けていたらと思えばゾッとするよね。でも、勝ちあがっていく中で、全部順調なんて無理。必ず苦しい試合はある。このチームにとってはこの試合だったね。

-では、甲子園の戦い方はどうでしたか?

米沢監督 甲子園では全試合が苦しかった。相手が毎回強かったので。1試合1試合で精いっぱい。選手たちは常に最大限を出してくれていたんじゃないかな。みんなも落ち着いていたよね。長いホテル生活。選手たちからストレスも感じなかったし。

高橋 自分たちも、ストレスはなかったです。

坂井 期間中は、携帯を使わせてもらったので…。

米沢監督 動画配信で相手チームの動画を見ろ、って預けたんだけどねぇ…。

高橋 いや…ちゃんと(動画を)見てから…。

米沢監督 ゲームしていただろ?

選手 一同(笑い)。

米沢監督 それも含めて、大会中は自由に過ごさせていたよね。

熊谷 自分は明徳義塾戦がキツかったです。相手打者が自分が嫌なことを毎回してくる。それでも抑えられて。攻撃でも粘り強くいって1点差で勝てたので。

坂井 自分は準々決勝の東海大相模戦で徹平(高橋)の先制ホームラン! うれしすぎてベンチ裏で泣きました。

米沢監督 俺はちょうど、次の守備に備えて畠中と熊谷と話しをしてた時だろ? 泣いちゃったの?

高橋 ベンチに戻ってきたら、坂井が泣きながら抱きついてきてビックリしました(笑い)。

米沢監督 坂井は感情を表に出すもんな。

坂井 とくに甲子園は出ちゃうんですよね。

高橋 自分は強いて言えば決勝の京都国際戦。9回裏、1死二塁。一打サヨナラの場面で回ってきたのに中飛。チャンスをものにできなかったのは悔いが残ります。

米沢監督 それはしょうがない。簡単に得点できないと思っていた中で、後半は食らい付いていってくれた。実際に坂井もいっぱいいっぱい。あれがウチの最大限だったんだよ。

-今まで関東第一を率いる中で、何が違うと思いますか?

米沢監督 1試合の流れを読む力がこのチームの強み。今までの先輩たちもそうやってきたけど、このチームは我慢強かった。あとは新基準の低反発バットにかわったこともあったと思うんです。お互いに打てない。そこで我慢強く戦えたよね。

熊谷 自分は守備力だと思います。

高橋 明徳義塾戦でも坂井が無死一、二塁からしっかり打たせて取った。落ち着いて、我慢強くプレーできました。

-決勝後、どんなミーティングをされたんでしょう?

高橋 みんな一緒でしょ?

(一同うなずく)

熊谷 監督が「優勝したかった。悔しかった」と言われて。全員が泣いちゃいました。

坂井 あのぉ…自分の見間違えかもしれないですが…監督さんの目から何か光るものが出ていて。めちゃくちゃビックリしました。

高橋 (監督の涙を)初めて見ました。

米沢監督 そうだった?

高橋 首脳陣を優勝させてあげたかった。「悔しい」と言われた時は、自分たちも涙を耐えられなかったです。

米沢監督 率直に悔しかった。もう1度、あの場所に戻って挑戦したいけど、去年の予選からの勝ち上がり、甲子園の対戦も含めて考えると、なかなかマネはできない。だからこそ、このチームで日本一をとりたかったですけどね。まだひとつ足りなかったのかな、と思いますね。

-とはいえ、関東第一で最高の成績を残されました。この3年間で彼らに伝えたかったことは?

米沢監督 僕はかっこよく生きていって欲しい。次のステージで活躍して欲しいね。

熊谷 ここで学んだことを大学でも生かして、4年後、プロに行けるように頑張ります。

坂井 自分は関東第一で教わった謙虚さで、いい人生を送りたいと思います!

高橋 自分はキャプテンという貴重な経験を生かしながら、4年後、プロに挑戦できるように頑張りたいと思います。

米沢監督 大学に行く2人もプロに行く坂井も、とんでもなく高いレベルのところに入るんだよ。しっかりスイッチを入れて頑張れよ。

選手一同 ハイ。(おわり)

(※昨年12月に取材)

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