
<ロッテ5-2日本ハム>◇12日◇ZOZOマリン
ついに、目覚めた。日本ハムのフランミル・レイエス外野手(29)がロッテ戦でオープン戦1号を放った。4回に左翼席へ大きなアーチをかけ、春季キャンプ中の実戦から数えて7試合、20打席目での“今季1号”に笑顔。5日西武戦で昨季同僚の西武黒木から死球を受けた右手首の状態も問題ないことを、豪快なアーチで証明した。
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レイエスは立ち止まり、自信を持って打球を見つめた。4回2死。左翼席で弾むのを見届けてから、ゆっくりと走り出した確信弾でのオープン戦1号ソロ。「状態は100%。デッドボールの影響は特にない」。周囲の不安を一掃した。
5日西武戦で右手首に死球を受けた直後のこと。「クロキ、マイフレンズ! クロキ、マイフレンズ!」。手当てを受けるベンチ裏で、何度もさけんでいた。翌6日には黒木から謝罪を受け、もちろん受け入れた。その時に撮影した2ショット写真を7日にSNSで公開。「これからも、ユーモアに満ちあふれる僕の大切な同僚に変わりありません」とつづった投稿には、ある思いが込められていた。
レイエス (黒木への)誹謗(ひぼう)中傷が、すごく気になっていた。試合中は何が起こっても、おかしくないのが野球。わざと当てたわけではないのは本当に分かっていた。何より去年、鎌ケ谷に行った時に黒木さんと、すごくいい友達になることができた。そういった意味でも、何か黒木さんに悪いコメントがいくようであれば、なくしたいなっていう思いだった。
この日のアーチで死球の影響がないことを証明。黒木には、次の対戦を楽しみにしていることも伝えているという。実現するなら公式戦。黒木には育成から支配下にはい上がって欲しいというエールもこもった“今季1号”だった。
もうひとつの約束事も実現させた。新たな本塁打パフォーマンスだ。きっかけは伏見との会話。「寅威さんと話してた時に、去年はバナナポーズをやっていたので、ホームランの時はハイタッチをせずにゴリラの動きをするから、みんなも(胸を張るような)ゴリラの体勢で待っててくれって」。初披露となった新パフォーマンスは「今年はそれでいく。みんなを楽しませて、いい雰囲気でやりたい」。仲間を大事にするレイエスが開幕へ向けて、さらに状態を上げていく。【木下大輔】