日本ハムのドラフト1位柴田獅子（れお）投手（18＝福岡大大濠）が11日、千葉・鎌ケ谷での投球練習で自己最速を2キロ更新する151キロをマークした。
すでに打者として1軍デビューを果たした逸材は、4月中旬～下旬を予定する初実戦に向けてブルペン入り。日頃から一流投手の映像を見て研究している右腕は「まだ（球速は）上がると思いますよ。（いずれ）160キロまでいったらいいですね」と先を見据えた。
球速アップの要因のひとつに「腕が振られる感覚」がある。一般的には腕を中心に力を込めて振り下ろすよりも、体の回転を利用し遠心力が働くことで、よりスムーズに大きな力を生むことができるフォームが理想とされる。高校時代には頭で理解していながら、投打の軸としてじっくり修正する時間が確保できず。「手だけで投げてるみたいだった。自分で（腕を）振っているように投げていたら、故障につながってしまう」と当時のフォームを分析した。新感覚のピッチングに「（腕が）振られる感覚ができたら、もう本当に投げるのが楽しいですよ」と不敵な笑みを見せた。
底知れぬ18歳は入団後、新球スプリットも完璧にマスターしていた。金子千尋2軍投手コーチ（41）から、リリース時の手首の角度など助言を受け、140キロ弱で沈む球質へ仕上げた。これまで主に直球とスライダーの2球種で勝負していた右腕は「もうこれ（スプリットは）絶対です。これがあれば大丈夫です」と自信をのぞかせた。
同コーチは「投手柴田」に素質を見いだしている。「いいものを持っています。『今日はダメだった』という日がない」と再現性の高さを評価。スプリットについては「回転がなければ落ちる、みたいなの（理論）は勘違いして欲しくない。もちろん落ちるには落ちますけど、バッターが振ってくれる落ちになるかと言えばそうじゃない。そこを勘違いしたまま投げているともったいない。『こういう回転軸で、これだけ回転したら、こういう落ち方をする』っていうことを、早いうちにわかっといた方がいいということですね」と、ポイントを説明した。
柴田はまだまだ伸び盛り。「土台となるアベレージ（平均球速）を147～148キロくらいに、マックス（最速）も上げていかないといけない」と成長曲線を描いた。柴田が投手としても、スケール感を増していく。【黒須亮】
