
<オープン戦:ロッテ4-5日本ハム>◇11日◇ZOZOマリン
期待の新助っ人が満点デビューを果たした。右脇腹痛で出遅れていた日本ハム古林睿煬(グーリン・ルェヤン)投手(24=台湾・統一)が11日ロッテ戦(ZOZOマリン)で日本球界初登板。6回に登板し、1回無安打無失点。同僚からたたえられて「うれしい気持ち」と笑顔を見せた。
最速157キロ右腕は、前評判通りの力強い真っすぐを披露した。この日の最速は先頭打者への初球に投じた153キロ。「初めてマウンドに立った瞬間は緊張感があったけど、1球投げてからは自然に投げていました」と中村奨はバットを折って投直、岡は一邪飛、上田は二ゴロ。いずれも決め球はストレートだった。
新庄監督も「差し込まれるようなイメージを持ったと思う」と新戦力の力量に手応えを感じた。台湾では先発一筋だった右腕の起用法も「去年の金村君じゃないけど、そういうやり方もいいかな」と開幕時のセットアッパー構想を持つ。先発陣の駒がそろうからこそ、シーズン序盤は「日本の野球をちょっと経験させながら」と思案中だ。
古林睿煬も「日本に来たからには、どんな役割でもしっかりやる」と先発だけにこだわる考えはない。リードした終盤に相手打者を圧倒できるポテンシャルを開幕から生かしつつ、近未来の先発転向を見据えて経験値を積ませる。今年の開幕投手を務める金村が1年前に通った道を歩ませるのか、開幕数週間後の先発デビューに備えさせるのか。いずれにしても、ベールを脱いだ台湾の「火球男」が大きなインパクトを残したのは確かだ。【木下大輔】