
<オープン戦:日本ハム3ー2西武>◇5日◇エスコンフィールド
日本ハム新庄剛志監督(53)が、今年も「新庄覚醒工場」を稼働させている。巨人から移籍2年目のスイッチヒッター、若林晃弘内野手(31)に、春季キャンプ途中から左投手相手でも左打席で立たせている。この日も西武とのオープン戦(エスコンフィールド)で8番二塁でスタメン出場した若林は3回の第1打席、左腕隅田を相手に左打席に入ると、一塁線を破る二塁打を放った。新庄監督は試合後、狙いを明かした。
新庄監督 左のスイングがすごくいい。左ピッチャーに対して、どういう対応をするかなと思ってキャンプ中に言った。
キャンプ2軍スタートだった若林はキャンプ序盤の実戦から左右両打席で安打を放ってアピールし、途中から1軍へ合流。その中で新庄監督は“左打ちの若林”に可能性を感じていた。
新庄監督 データないでしょ、相手は。(若林の)左ピッチャーに対しての(左打席のデータが)。
データ全盛のプロ野球において“高校以来の左対左”に挑戦する若林の傾向は他球団にほぼ存在しない。
新庄監督 やっぱり彼の立場からしたら、新しいものに挑戦して成功する確率が上がれば上がるほど自信にもなる。今日のヒットは本人も「よし、左ピッチャーでも打てる」って、すごくハッピーな1日だったんじゃないですかね。
昨季は両足の故障に泣いて1軍未出場に終わった若林は「やってみて、いい形も出ているので僕はプラスに捉えています。安打は打者にとっていい薬なので良かった」。野球人生を懸けたシーズンに指揮官が与えたきっかけを生かせれば、北海道で「若様」が覚醒する。【木下大輔】