
<明治安田J1:京都0-1福岡>◇第5節◇9日◇サンガS
アビスパ福岡GK村上昌謙(32)が2試合連続クリーンシートで連勝の立役者となった。
前節のヴィッセル神戸戦に続いてゴールマウスを任された村上は、前半2度のビッグセーブで福岡を救った。前半24分、京都サンガF.C.のFWラファエル・エリアス(25)に持ち込まれ、MF奥川雅也(28)にパスを通される。奥川が巧みな反転から左足で狙ったシュートをセーブ。同36分には、ゴール前で与えた直接FKを京都MF平戸太貴(27)にゴール隅に運ばれたが、鋭い反応でかき出した。失点してもおかしくなかった場面を「グローブのおかげ(笑い)」とおどけた村上だが、日々のトレーニングと仲間への信頼が無失点につながったことを口にした。「普段からああいうシチュエーションの練習をしているし、ある程度のコースは壁が飛んで防いでくれる信頼感の下でやっていた。だからこそ触れたと思う。そういうことの積み重ねだと思う」。誰もが認めるビッグセーブも、チームとして一体となったことで守れたと強調した。
今季開幕からの3試合は、GK小畑裕馬(23)に出番を譲り、ベンチから見守った。それでもメンタル面での浮き沈みは全くなかったという。「自分が出るか出ないかは関係なく、アビスパのためにと思ってやっている。一喜一憂することなく(メンバーから)外れたら次に向けてやるだけだし、出るなら他の3人のGKの思いも背負って戦う。それがアビスパのGKの価値につながるし、チームの勝ちにつながる。僕たちは使いたいなと思ってもらえるようにやるだけ。あとはミョンヒさん(金明輝監督)たちが決めることなので、そこはそちらに聞いてください(笑い)」。自然体で、当たり前のようにそう話すGKの存在は、頼もしい限りだ。
今季初めてゴールを守った前節の神戸戦から、村上が出場して2試合連続クリーンシート。勝利を呼び込むパフォーマンスを見せた“村神様”が、開幕3連敗スタートとなったチームを最後尾から立て直した。