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【巨人】田中将大「満足いくものはなかった」3回1失点 反省の“伝統の一戦”デビュー


巨人の田中将大投手が阪神とのオープン戦に先発し、4万1839人の観衆を前に力投を見せた。試合は3回2安打1失点と奮闘したが、田中は初回に出した四球を反省し、「締めるところをしっかりしないと」とコメント。試合中は中野を遊ゴロ併殺に打ち取り、佐藤輝を直球で打ち取るなど無失点で乗り切った。その後も粘り強いピッチングでチームを支えたが、本人は「満足いくものはなかった」と悔しさをにじませた。阿部監督は「立ち上がり不安なのが分かったが、丁寧に投げようとしていた」と評価。次回は16日のカブスとのプレシーズンマッチでの登板が予定されている。

阪神対巨人 力投する巨人先発の田中将(撮影・前田充)

<オープン戦:阪神2-8巨人>◇9日◇甲子園

マー君が4万1839人の視線をくぎ付けにした。巨人田中将大投手(36)が9日、阪神とのオープン戦(甲子園)に先発。スタメン発表時に名前がアナウンスされると、球場全体からどよめきが起こり「驚きましたね」と振り返った。「タイガースファンからああいう歓声が上がるとは、思ってなかったのでうれしかった」。日米通算197勝を誇る大スターの伝統の一戦“プレデビュー”に、敵も味方も関係なかった。

マウンド上では試練の連続だった。初回、先頭の近本にストレートの四球を与え「いきなりストレートのフォアボールで歩かせるところとかは、締めるところはしっかり締めないと」と反省。それでも、中野を142キロ直球で遊ゴロ併殺、佐藤輝を一直に打ち取って、無失点で切り抜けた。

2回以降も我慢の投球が続いた。毎回先頭打者を出しながらも、要所を締め3回2安打1失点。「満足いくものはなかった」と納得いかない様子だったが、さすがの投球術で試合をつくった。阿部監督も「立ち上がり不安なのが分かった」としつつも「すごく丁寧にいこうとしていたのは見えた」と一定の評価を下した。

右腕の粘投に、ナインも好守で盛り立てた。初回2死走者なしで佐藤輝の痛烈なライナーを一塁手の秋広が好捕。続く2回も先頭の森下に左前打を許したが、大山を132キロスライダーで空振り三振にした際、捕手大城卓が二盗を阻止しゲッツー。田中将は「(大城)卓三もそうですし、内野の守りにも本当に助けられて、なんとかこういう形になったかな」と感謝した。

次回は、16日のカブスとのプレシーズンマッチ(東京ドーム)での登板が見込まれる。5年ぶりにメジャーのチーム相手に投げることになるが「なんか申し訳ない気持ちですね。投げたい選手がたぶん、いっぱいいると思うので」。謙虚な気持ちを持って、開幕への調整を進める。【水谷京裕】

▽巨人阿部監督(田中将について)「ちょっとエンジンがかかるのが遅いのかなと思って見ていましたし、自分でも課題があると思うので、次は修正したところを見せてもらいたいです」

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