
<オープン戦:阪神2-8巨人>◇9日◇甲子園
阪神の前監督、岡田彰布オーナー付顧問(67)が3シーズンぶりに解説に復帰し、チームにゲキを飛ばした。MBSテレビの生放送で試合開始から2時間半、バックネット裏で大放談。ジェット風船よりも勢いよく!? 愛の毒ガスを噴射した。
6回。不満の矛先は2番中野と3番佐藤輝に向いた。1死一塁から中野が左前に落とす安打。昨年の不振を受け、打撃修正を試みているが「今のも引っ張りにいっているんですけどね。バットの出る角度が右にいく角度じゃない。だから一、三塁にならない。2番打者のバッティングじゃないですよ」とばっさりだ。
続く佐藤輝にも容赦ない。1死一、二塁から落ちる球で空振り三振。「公式戦でこの点差(7点ビハインド)だったら自分も塁に出るのが一番。今のも、ホームランを打ちにいっている姿にしか見えない。ホームランでも4対8。負けますよ。でも満塁で(4番の)森下に回せばチャンスが広がる。それがチームです」。昨年、何度も口酸っぱく言い続けた「状況判断」ができていないと指摘した。
先発で3回途中8失点と打ち込まれた西勇にも首をひねった。前日8日に、公式戦とは違い、セオリー通りには投げないというプランを明かしていた。「そういうことやらなくていいと思うんだけどね。新人じゃないんだから」。
指揮を執った2年間と今春キャンプまでの流れを把握した上での苦言の数々。もちろんすべては勝ってほしい阪神愛の裏返しだ。監督1年目の開幕を控えた藤川監督にも金言を授けた。
「(監督)1年目の開幕3連戦はすごく大事。絶対勝たないといけません。勝ち負けの執念みたいなものを見せないと。(自分は)めっちゃくちゃ勝ちにいきましたよ。3回とも3連勝しました。ほかの5球団、全部が注目しますからね」。岡田新監督は阪神での04年と23年、オリックスでの10年と3度とも開幕カードに全勝。その事実を踏まえ、28日からの敵地広島で開幕を迎える藤川阪神も、ライバル球団に強いんだと印象づけるべく、3連戦3連勝が必要と力を込めた。
放送は8回表で終了。「まだ見ていくわ」と関係者ロビーで、CS中継を最後まで見届けた。仕事もプライベートもない。その姿はタイガース愛にあふれていた。【柏原誠】
【阪神岡田顧問のテレビ発言あれこれ】
★巨人の新戦力に
「キャベッジは要注意。素直にバットが出る。田中将はやっぱり直球のスピードとキレ。それがないとしんどい。心配です」
★阪神の遊撃争い
「今だったら木浪。バッティングがいいです。小幡、守備ちょっと悪いですよね。ボールにぶつかりにいくんですよね。あまり肩の調子もよくないんじゃ」
★森下が新4番
「ほかの解説者から、いつ4番にするんですかってよく言われていました。3年やってからと言ったんですけど、1年早かった」
★田中将が3回1失点
「3カード目の東京ドームで、たぶん投げてきますよ。あまりここで打ったら(阪神戦に)投げてこなくなりますからね。(自分が)ベンチおったら、あんま打つな言いますもん」
★メジャーとの試合
「(開幕前の3月にレッドソックス、アスレチックスと対戦した)08年はあまりええことなかったんですよ。(世間が)みんなメジャーの味方になっているから。実験台にされてるみたいでいい気持ちにならなかった。どっちか言うと悪者というか」
★才木について
「キャンプはあんまりよくなかった。ブルペンのはしっこばっかりで投げてたんですよ。(後日)真ん中のマウンドに来たら良かった。そういう球を投げられるなら、毎日投げろと。1日でも変なことしたら投手はおかしくなるんやから」
★先発の曜日について
「日曜日が一番勝てるんですよ。(翌日が月曜で)投手を早く代えられる。(相手も)そんなにいい投手が出てこないんですよ。昨年の才木は日曜日11勝(実際は日曜9勝、土曜2勝)、火曜日2勝ですから。いかに去年の村上が火曜日で苦労したか」
★阪神優勝の可能性
「優勝する力は全然あります。強いのは間違いないです」