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【山形】「東北ダービー」制し今季初勝利 渡辺監督「我々の家は特別な空間」観衆1万5687人


山形モンテディオは、秋田ブラウブリッツとの「東北ダービー」で4−2の勝利を収め、今シーズン初の勝利を達成しました。この試合は東日本大震災から14年を迎える東北の特別な日に行われ、スタジアムは約1万5687人のサポーターで満員となり、山形のスタジアムは歓喜に包まれました。試合前に渡辺晋監督は、「今日は再出発の日」と選手を鼓舞し、その言葉通りの勝利を手にしました。一方で、秋田の吉田謙監督は敗北を受けて、次回札幌との試合に向けた改善に意欲を示しました。この勝利は、震災から復興を続ける東北の地における心強いステップとなり、山形はこれからも前を向いて戦い続けることを誓いました。

山形対秋田 前半14分、追加点を挙げ、仲間と喜び合う山形ディサロ(左から2人目)(撮影・木村有優)

<明治安田J2:モンテディオ山形4-2秋田ブラウブリッツ>◇第4節◇9日◇山形・NDソフトスタジアム山形

2日後に東日本大震災から14年を迎えるこの日、「東北ダービー」が行われ、山形が秋田に4-2で快勝。今季初勝利を手にした。「3・11」から立ち上がっていく東北勢の一員として、それぞれが思いを胸に戦いを続けていく。

待ちに待った、この日。試合前、山形の渡辺晋監督(51)は1万5687人が詰めかけたスタジアムを見つめていた。「ようやくわが家に帰ってきたという感覚でした」。まだまだ降雪が続く山形。開幕前には、サポーター有志によるスタジアムの除雪作業が行われた。まさに山形一丸でつかみとった今季初勝利。モンテブルーに染まったNDスタが、歓喜に湧いた。「やはり、我々の家は特別な空間ということを証明してくれました」と、サポーターらに感謝した。

ようやく大きな一歩を踏み出した。開幕から3連敗を喫し、ホームに帰ってきた。試合前、渡辺監督は「今日は俺たちにとっての再出発だ」と選手らに伝え、ピッチに送り出した。その言葉を、5年ぶりのホーム開幕戦勝利で示した。「選手たちはすごく悔しい思いを抱えながらもしっかりと向き合ってくれました」と振り返った。

守備面での課題は残ったが、チームの状態は上向きだ。「ようやくしっかりとかみ合って動き出した感じがします」と好感触。「失った勝ち点はこの先の勝利でしか取り戻すのはできないので、前を向いてここから戦っていきたい」と再出発を決め、ここからの巻き返しを狙う。

絶対に譲れない。東北に本拠地を置く両者の思いがピッチ上で火花を散らし、時には強引な体を張ったプレーが90分間を通して行われた。これが“東北ダービー″だ。明日で東日本大震災から14年。復興は着々と進むが、あの日、負った心の傷は消えることはない。それでも、東北チームとしてサポーターとともに戦う彼らのプレーが、多くの人に元気を与えてきた。これまでも、そして、これからも。山形は何度でも立ち上がって前へと踏みだし、東北に明かりを照らしいく存在となる。【木村有優】

○…秋田はスタジアムを飲み込むような山形の勢いにおされながらも、最後まで食らいついた。吉田謙監督(55)は「東北ダービーならではの最高の雰囲気をつくってもらいながら、負けてしまったので、顔を洗って出直します」と語った。15日の次節、札幌とのホーム開幕戦を迎える。「危ないところから消して、コンパクトな守備になるように修正して臨みたいです」と前を向いた。

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