
<オープン戦:日本ハム1-0中日>◇9日◇エスコンフィールド
FAで新加入した日本ハム福谷浩司投手(34=中日)が古巣相手&本拠地初登板を果たした。
「5、6回投げたくらい疲れた」。9日中日戦(エスコンフィールド)の5回に登板。2安打1四球で1死満塁のピンチを背負ったが、最後は岡林を二ゴロ併殺打。1イニングで出番を終えたが「いろんな感情が出たり、いろいろ考えちゃったなっていうのもあった。すごく疲れた」と苦笑いで振り返った。
不思議な感覚でマウンドに上がった。昨季まで12年間、身にまとっていたユニホームを相手にしての投球。「エスコンを感じる前に、やっぱ古巣との(対戦)っていう方が結局、先に勝ってしまった」。オープン戦だが、まるで中日がキャンプを張る沖縄・北谷のような空気感を感じていた。「例えとして適切かはわからないけど、ライブBPをやっているような感じ。大島さんは昨年もキャンプでライブBPで対戦しているので…」という中でピンチを迎えてしまった。
そこで初めて新たなホームを体感した。1死満塁で対戦した岡林に対して3ボールとなった時だ。「温かく拍手で(励まされた)。僕自身、人生で初めての経験。ファンの方の力があって抑えられた」。カウント3-1からツーシームで併殺を奪い、本拠地で無失点デビュー。「今度は“いらぬ心配”をかけぬように」と恩返しの快投を誓った。
いろんな感情が揺れ動いた節目の登板は「結果は0で良かったけど、内容はゴミみたいなもの」と振り返った福谷。開幕1軍入りへ向けて「毎試合アピールのつもりで。今日はあんまり良くなかったので、次はしっかり」と自らに言い聞かせた。【木下大輔】