
<オープン戦:阪神4-5DeNA>◇8日◇甲子園
阪神佐藤輝明内野手(25)が今度は技ありの一打を決めた。DeNA戦に「3番三塁」で出場。1点リードの5回1死満塁、フルカウントから左腕庄司の外角144キロ直球に逆らわず、逆方向へ華麗に流し打った。打球は左翼線の内側で弾み、リードを拡大する2点二塁打。二塁上では激しく手をたたき、最後は両手を広げて「カモメポーズ」で締めくくった。
「最後、打てるところに(ボールが)来たので良かったです」
対応力の高さを見せつけた。カウント3-1からの5球目、高めの真っすぐをフルスイングして空振り。追い込まれてからの6球目はほぼノーステップでコンタクトを意識した。強振せず、ボールに合わせる形でスイング。「タイミングの修正というか、そういうのができたかなと思います」と胸を張った。
藤川監督も打席での工夫、成長に目を細めた。「打ちにいっている姿がありますから」と攻めの姿勢を評価した上で「打ちにいきながらボールを見極めるとか、それが重要なんじゃないかと。打ちにいきながら打つ。打ちにいきながら見送る。見送りにいきながら打つというのはすごく難しい。そういう部分での押し引きですね」と分析した。
5、6日の侍ジャパン強化試合から帰還し、代打出場した前日7日のDeNA戦の中前打を含め、オープン戦に出場した全4試合連続で安打を記録。9打数6安打の打率6割6分7厘と春季キャンプからの好調を維持している。
キャンプ中にも手応えをつかんでいた90度を目いっぱい使った全方位打法で、オープン戦安打の打球方向は右翼2本、中堅2本、左翼2本とバランスもいい。開幕まで残り約3週間。新3番の本番突入が待ち遠しい。【古財稜明】