
阪神森下翔太外野手(24)が自身のバットで「ジェット風船」の復活を盛り上げる。9日の巨人戦で7回裏の攻撃前、ジェット風船演出の実証実験が行われる。20年のコロナ禍以降中止が続いていた阪神名物のイベントの6年ぶりの復活を祝うべく、4番が存在感を発揮する。
「(ジェット風船は)タイガースを象徴するもので、復活してくれると球場全体にも一体感が生まれると思う。本番に入る前に、すごくいいイメージもできる実戦練習になる。いい状態で試合に入って、本番さながらにやっていきたい」
ジェット風船中止後の22年ドラフト1位入団で、未体験の応援文化。しかも25年最初の「伝統の一戦」で、かつてない盛り上がりを体験することになりそう。実験を経たジェット風船の再開は最短来シーズンからだが、1年後を想定した予行演習に気合が入る。
巨人は楽天から新加入した田中将が登板予定。ここまでオープン戦2試合で、無失点投球と絶好調だ。プロ初対戦となる森下も、ここまで結果は上々。直近5日の中日戦こそ無安打だったが、今春実戦は2発を含む12打数4安打5打点と数字を残してきた。日米通算197勝投手を撃ち砕き、ジェット風船を飛ばすラッキーセブンを迎えたい。
巨人戦を前に7、8日にはDeNA戦(甲子園)があり、昨季13勝の東、6勝の大貫が先発してくる。開幕前ラストの甲子園でのオープン戦3連戦は昨季の日本一軍団とリーグ優勝球団が相手。しかも主戦級の投手が並び、状態を確かめる絶好の腕試しになりそうだ。
「シーズンが始まると絶対に対戦するピッチャー。早めに見て、納得した形が出るように努力したい。1試合1試合、ボールの見え方は変わる。試合の中で修正できるような形を、オープン戦でできれば」
28日の敵地開幕広島戦まで残すは約3週間。この日も甲子園でのフリー打撃で快音を響かせるなど、充実の調整を続けている。4番のバットで、聖地に熱狂を呼び込む。【波部俊之介】
◆ジェット風船の実証実験 甲子園で行われるオープン戦の9日巨人戦とシーズンの4月13日中日戦で実施。ファンにアンケートを募るなど、最短26年からの再開を検討する。両日は試合開始2時間後までに入場したチケット所持者に、風船と専用ポンプのセットが配られる。実施は7回裏の攻撃前のみ。球場内にボックスを設置し、使用済み風船の回収と再資源化を目指す。空気注入部分の素材にはペットボトルキャップの再生材を使用するなど環境にも配慮。担当者は「必ずしも再開するものではなく実証実験。結果を見ながら検討したい」としている。