
<ラグザス 侍ジャパンシリーズ 2025:侍ジャパン-オランダ>◇5日◇京セラドーム大阪
熱い魂で師匠と共鳴した。日本ハム水谷瞬外野手(23)がファーストスイングで沸かせた。1回先頭、オランダ先発ケリーの2球目の148キロ直球を捉えた。バックスクリーン左への先制ソロ。侍ジャパン初打席初スイングで初安打初本塁打初打点と「初」だらけの一打を決めた。一塁ベースを回ると人さし指と中指を立ててポーズ。三塁ベースを回ってからも天に指を掲げ、ベンチ横で“熱男ポーズ”でド派手に締めた。
師匠との再タッグでいきなり成長ぶりを見せつけた。昨年12月に侍ジャパンの野手総合コーチに就任した「熱男」こと松田宣浩コーチ(41)はソフトバンク時代のチームメートで自主トレで3年間、弟子入りした間柄。現役ドラフトで日本ハムに移籍して才能を開花し、日の丸を背負っての共闘までこぎ着けた。
しかし、感動の再会…とはならず。顔を合わせた4日の大阪は雨が降り続いた。「俺らがこういうところで会うから雨なんや」と冗談を交えながらも、再会を喜んでくれた。コーチと選手という関係での共闘に向け「こういう形で再会できたのはいいと思います」と力をみなぎらせた。“熱男ポーズ”を見せたのは松田への感謝と、急逝した当時3軍コンディショニング担当の川村隆史さんへの約束で披露した昨年6月のプロ初本塁打以来。侍初本塁打でも再び「あつお~!」と叫んだ。
強烈な一振りで井端監督にパワーをアピールした。来年3月のWBCに向け、指揮官は前日4日の会見で「優勝する上でホームランは必要不可欠。1人でも多く、長打が期待できる選手が出てくれればうれしい」と求めた。現役ドラフトからはい上がった水谷が初打席で一発回答。日の丸を背負い、より一層熱い魂で戦っていく。【小早川宗一郎】
▽日本水谷 ドキドキで打席に立ちました。松田コーチから「1打席目が大事」と言われたので、初球から積極的にいきました。いい結果になって良かったです。