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<オープン戦:阪神9-6中日>◇23日◇沖縄・北谷
阪神の新外国人ジョン・デュプランティエ投手(30=ドジャース3A)が開幕ローテ入りへ、来日後初の対外試合となった中日戦で上々の滑り出しを見せた。
1点リードの5回に3番手で登板。最速152キロを計測した直球と130キロ台のカーブのコンビネーションを生かした。1回を1安打無失点に抑え、藤川監督も「非常に良く映りました」と納得顔だ。
先頭岡林にはカウント1-1から直球でファウル2個を奪った後、カーブを2連投。22年リーグ最多安打のタイトルホルダーを二ゴロに仕留めた。続く上林にもカウント2-2から手前にワンバウンドするカーブを選択し、空振り三振をゲット。福永には中前打を許したが、中日主砲候補の石川昂は三ゴロに打ち取った。身長193センチ右腕は15球のデビュー戦を終え、表情に充実感を漂わせた。
「楽しかった。特にストライクゾーンから外れた低めの球(カーブ)は自分のキャリアを通しても空振りを取れる球種。捕手のブロッキングが素晴らしかったので助かりました」
20キロ超の急速差を生む宝刀カーブを生かし切った助っ人右腕に、巨人真田スコアラーは戦々恐々だ。「球が強くて、めちゃくちゃいい投手。腕が長くて柔らかく使えて、しなって出てくる。球持ちもすごく良さそう。真っすぐの強さと縦割れカーブのスピード差もかなりあるので、打者はすごく嫌なんじゃないかな」と苦笑いするしかなかった。
本人は試合後、登板がコールされた後に観客席のファンから名前を呼ばれたことに感激していた。入団前から日本や阪神の歴史、文化などを調べてきた右腕。未経験の本拠地甲子園では約4万2000人超の声援が響き渡る。「楽しみですね。甲子園の応援というのは野球界で一番と聞いている。それを感じられることをすごく楽しみにしてます」。大歓声に包まれるシーズンデビュー戦を早くも思い描いた。【伊東大介】