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虎の新4番はもう万全! 腰痛のため別メニュー調整を続けてきた阪神森下翔太外野手(24)が、23日の中日とのオープン戦(北谷)から実戦復帰する見込みとなった。21日は全体アップから打撃や守備の通常練習をこなし「100%に戻ってきている」と全開をアピール。藤川球児監督(44)から開幕4番を明言されており、今季初の対外試合も4番が濃厚だ。虎の主砲がスイッチを入れ直し、いざ出陣だ。
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降りしきる雨の中、森下の笑顔がはじけた。大雨の影響で室内練習となったこの日、ティーやマシン打撃で持ち味の豪快なフルスイングで快音を響かせた、守備練習も軽快にさばいて充実の汗をぬぐった。「(状態は)100%に戻ってきている感じです。怖さなくやれてます」。その表情からは状態の良さと手応えがうかがえた。
藤川監督も目を細めた。「非常に表情よくやっていた。状態を見てですけど、こちらがしっかりコントロールして北谷あたり、連れていければ」。当初の実戦復帰は3月上旬の見通しだったが、最短23日の中日とのオープン戦(北谷)に前倒し。指揮官は背番号1の開幕4番を明言しており、復帰戦も4番が濃厚だ。藤本総合コーチも驚異の回復力に目を見張り「最終確認していけるならば、北谷から準備しています」と22日の状態を確認して正式にGOサインを出す。
森下自身も療養期間の時間をプラスに捉えている。「むしろ考える時間もあったので、より良い方向に進んでいる感じです」。体を満足に動かせない日々は、動画で打撃フォームのチェックなどを行うなど有効活用。気持ちの準備も整った。「全然動けると思うので、ピッチャーの球をしっかり見ていきたい。(練習も)実戦にフォーカスしていきたい」。
沖縄への出発前、「2月は強化期間と捉えてやりたい」と意気込んでいた。言葉通り、キャンプ初日から自身をいじめ抜いた。腰痛発症の前日11日の練習では、フリー打撃を終えて特打でもう1振り。4番を任される責任感が背番号1の体を突き動かしてきた。いよいよ今年初の対外試合で、4番としての存在感を見せる時がきた。
この日は同い年のドラフト1位伊原陵人投手(24=NTT西日本)のブルペン投球時に打席に入り、実戦への感覚を養った。「オープン戦といっても、やっぱり勝った方が勝ちぐせもつくと思う。勝つに越したことはない」。故障離脱をプラスに変え、新4番がアクセル全開で躍動する。【山崎健太】
◆阪神森下の今キャンプ 初日と2日の柵越えは1本ずつ。3日は5本に増え、徐々に強度を上げていた。チーム初実戦の8日の合同紅白戦は4番右翼で先発出場し、第1打席で中前打を放った。だが第3クール2日目の12日に腰痛を訴え、アップから全体メニューを離脱。宿舎で治療を受けた。13日からは完全別メニューとなったが、16日にキャッチボール、17日に室内でマシン打撃を再開。18日からは屋外でのフリー打撃で外野の打球捕もこなした。20日からはアップのみ本隊に合流するなど、スピード回復で状態を上げてきた。