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女優宮本信子(79)が22日、都内で行われた「伊丹十三4K映画祭」の「お葬式」上映記念イベントにゲスト登壇した。
夫、伊丹十三監督の全10作品に出演。4Kデジタルリマスター版の最高画質で10作品を上映する特別企画に、「伊丹さんがどれだけ喜んでいるか。こんなうれしいことはありません」と感激を語った。
「お葬式」(84年)は、52歳で初メガホンをとった伊丹監督の監督デビュー作。「どうしても伊丹監督の第一声の『よーい、スタート』を聞きたくて、お化粧の途中でしたが、走っていって聞いていました。感動しました」。
「お葬式」は、一週間で脚本を書き上げたという。「私の父が亡くなって、火葬場の煙を2人で見ていたら、伊丹さんが『なんか、小津さんの映画に出ているみたいだね』って。これは映画になるね、映画を撮ろうって。父が亡くなったことはそっちのけにして、その年は脚本を」と笑って振り返った。
撮影現場での伊丹監督について「エッセーも美術もいろんなことをやってきましたが、『やっと自分でこれだというものを見つけたんだよ』って、好きなお酒もやめまして、たばこもやめて。本当にうれしそうな顔でした」。全10作品野仲でも、「お葬式」の時が「いちばんニコニコだった」とした。
この日は、昨年宮本が出演したTBS系ドラマ「海に眠るダイヤモンド」を監督し、伊丹作品の大ファンという塚原あゆ子監督も登壇。ラーメン店を舞台にした「タンポポ」(85年)を見て料理に目覚めたというエピソードを披露した。
宮本は「どうして日本人はこんなにラーメンが好きなんだろう、というところからラーメンの映画を作った」と語る一方、「本人はあまりラーメン屋さん行かないんです」と笑わせていた。