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<練習試合:阪神6-0楽天>◇15日◇沖縄・宜野座
金メダリストもメロメロのイケメン弾だ。阪神木浪聖也内野手(30)が藤川阪神1号アーチを放り込んだ。2回、内が高めにふかした146キロを強引にとらえ、右翼席まで運んだ。2ボールから「割り切って、振ると決めていた」。力勝負を制した長距離砲のような弾道を描いてみせた。
昨年は打率2割1分4厘と大不振。オフから新フォームに着手した。目立つのはかつぎ気味だったバットを立てて構えるところ。ただ、最も重視するのは下半身主導のスイングだ。「人は、どうしても緊張すると力が入るのは上(半身)なので、いかに下に落とし込めるか。毎日の練習で確認しながらやってきました」。練習でも目に見えて力強い打球が増えている。「ショートゴロも良かった」と納得の2打席だった。
笑顔で出迎えた藤川監督に監督就任「1号」をプレゼント。喜んだのは監督だけじゃない。大の木浪推しを公言する柔道の鏡優翔が目をハートにしていた。練習からバックネット裏のかぶりつきに陣取り「こんな間近で見られるなんて。(木浪は)めっちゃかっこいい~」。もちろんルックスだけでない。サポートを受けるメンタルコーチが同じという縁があり、木浪の現在の取り組みに着目した。「重心の落とし方を意識していた。競技は違うけど、そこを意識するんだなって改めてすごく感じました」。試合後にはツーショット写真も実現。1日遅れのイケメンすぎる“逆チョコ”弾に、金メダリストも照れまくりだった。
今季は成長著しい小幡と激しくレギュラーを争う。安定した守備は随一。打撃がパワーアップした“ニュー木浪”なら、明らかに一日の長がある。「最初の試合でインパクトを残せた。継続して、今まで通りやるべきことをやるだけです」。そう言って、顔をほころばせた。【柏原誠】