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【グレンデール(米アリゾナ州)14日(日本時間15日)=四竈衛】メジャー2年目の由伸は、ひと味違う-。ドジャース山本由伸投手(26)が、今キャンプで投手陣の先陣を切って実戦形式のライブBPに登板した。打者のべ5人と対戦し、無安打4奪三振。今季打者と初対戦ながらも最速95マイル(約153キロ)をマークするなど、快調な仕上がりを披露した。日本での開幕投手を務める背番号「18」が、まずは快調に滑り出した。
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今キャンプ初の実戦投球を感じさせないほど、山本の腕の振り、球のキレとも抜群だった。打者相手に投げるのは、昨年10月26日のワールドシリーズ第2戦以来。まずは、山本の全球種の軌道を最も熟知した正捕手スミスを、3球三振で退けた。続く控え捕手バーンズは、スプリットで空振り三振。さらに、若手の有望株ラッシングのバットもスプリットで空を切らせ、3者連続三振と、文句なしのスタートを切った。
終わってみれば、打球が前へ飛んだのは、2巡目となったスミスの左飛1球だけ。4三振は、直球、スプリットだけでなく、最後はスライダーで奪うなど、カーブを含めた全球種が上質の27球だった。通常は対戦することなく、コンビを組むスミスは、練習後、苦笑交じりに印象を語った。「良かったね。みんな三振したよね。彼はいい状態にいる。オフにしっかりやってきたんだね。かなりいい1年になると思うよ」。相棒の順調な仕上がりを、頼もしそうに振り返った。
これまでのブルペンでは最速94マイル(約151キロ)だったが、この日は95マイル(約153キロ)までアップ。打者が打席に立ち、ピッチクロックも作動したことで、山本の投手としての本能もうずき始めた。見守ったプライアー投手コーチも、絶賛の言葉を並べた。「すべてが良かった。球速はともかく、すべてスイングを押し込んでいたし、制球も秀逸だった」。開幕投手に指名しただけでなく、シーズンを通して軸と期待するだけに、力強い「初投げ」に納得の表情を浮かべた。
今後は公式戦中とほぼ同じサイクルで、ブルペン投球を挟み、中5日の20日にも実戦登板する見込み。現時点では、オープン戦となるか、再びフリー打撃登板となるかは未定だが、いずれにしても、山本がド軍投手陣の先頭を走っていることは間違いない。