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<対談1>
名球会対談が実現! 今季から虎の指揮を執る藤川球児監督(44)が包み隠さず本音を語った。キャンプ地沖縄で親交の深い元ヤクルト宮本慎也氏(54=日刊スポーツ評論家)との「ぶっちゃけ対談」が実現。08年北京五輪では選手として共闘し、NHK解説者時代もよく知る宮本氏にコーチ就任要請はあったのか!? 今季のチーム構想を語り尽くした。【取材・構成=小島信行、磯綾乃】
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宮本氏 練習風景を見ていたら、雰囲気が良さそうですね。
藤川監督 ありがとうございます。先輩が来るので、ノック前にピシっと言っていますから(笑い)。
宮本氏 解説を一緒にやっている時も、野球のことを常に考えている人だった。食事をしても、野球の話ばっかり。
藤川監督 先輩にもお誘いかけたかったんですけど、どうせ無理だろうなと(笑い)。
宮本氏 また変なうわさ出るから!(笑い)
藤川監督 (一部報道が)出た後に「先輩、しばらく遊んでください」と言っていましたね。
宮本氏 「こっちにえらい影響来てるぞ」って言ったら「それを楽しんでください」みたいに(笑い)。
藤川監督 やっぱり、野球界のメディアは楽しむというのが1つのエンタメなので(笑い)。
宮本氏 さすが、メディアもうまく使っているね。それで言うと、記事に出ていた「4番森下」はいつ頃から考えていたんですか?
藤川監督 実は大山選手がキーポイントかもしれないです。彼を欲しがっていた球団はどういうポジションでと考えた時に、ここ(5番)なんじゃないかと。
宮本氏 なるほど。大山選手を生かすために、森下選手が4番になった。
藤川監督 三者三様です。成長著しい森下は、日本代表でも4番を打っていた。佐藤(輝)にはもう少し荒々しく前に行ってもらう。そして5番は、案外難しいと僕は評論家をしている時に思っていました。大山選手がいてくれることで、佐藤の荒々しさ、森下はもう1つチャレンジできる。
宮本氏 じゃあ残留してくれて、本当に良かったね。次は守備の要の捕手について。主戦を決めるのか、併用制なのか、そのあたりはどう考えていますか?
藤川監督 坂本もFA宣言せずに残留してくれて、一緒にできることになりましたし、梅野がすごく仕上がりが良くてですね。彼ら2人、どちらもいいというのは、まず安心感はあるんですよ。ただ…。
宮本氏 ただ?(笑い)
藤川監督 新しい戦力にも目を向けなければいけない。栄枝という26歳の捕手が今いるんですけど。ほとんどノンキャリアの状態。
宮本氏 2人の壁が厚いですからね。
藤川監督 昨年まではオープン戦でも梅野と坂本、どちらかがほとんどフルで出ていた。もう入る隙間がなかったと分かりました。実際オープン戦が近づいてきて、よし、ここだと思って。経験値を積み重ねられるチャンスにしたい。
宮本氏 他のポジションでは出てきてほしい選手や、目立った選手は?
藤川監督 やっぱり小幡(竜平)は伸びてきていると思います。まだまだ若いですし、あとは前川。昨年いいパフォーマンスを残したといえども、まだ21歳ですから。阪神は高卒の選手が1回うまくいっても、その後つまずいたらなかなか立ち上がれないうことが多い。自分も同じ経験をしているので、いかにそこをガードできるか、伸ばしてあげられるのか。どっちつかずになって、というのを何回も見てきたので。
宮本氏 前川選手も他の選手も、レギュラーを取りきれよということですね。
藤川監督 そうです。やっぱり報道が先行していることもある。ファンやメディアの方には、飛び級で見ないであげてほしいです。
宮本氏 まだまだ成長中の若手という目線で。
藤川監督 もちろん前川にレフトをしっかりやってほしいし、スローイングも非常に良くなってきている。(守備が)オフの課題としてあって、そんなこと言っても若いし、打ちたいとか、そっちに走るんじゃないかと思ったら、まあしっかりとやってきました。
宮本氏 若手の突き上げも楽しみですね。まだ順位予想もしてませんけど、優勝候補であることに変わりないと思います。