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広島ドラフト2位の佐藤柳之介投手(22=富士大)が14日、実戦を想定して計9人の打者と対戦し、安打性1本に抑えた。この日は秋山や菊池ら実績組とも対戦。秋山とは1打席の対戦で見逃し三振に切り、菊池とは2度の対戦でいずれも凡打に打ち取った。6日の打撃練習、10日のシート打撃に続く打者を相手にした登板で結果を残した。新井監督は「(打者の体感速度は)ガン表示以上。ベース板の上が強いので打者は刺されると思います」と評価した。
一巡目はノーワインドアップから打者4人と対戦した。1四球も、新外国人ファビアンからは見逃し三振を奪うなど無安打に抑えた。2巡目は走者を想定して、セットポジションから投じた。打者5人に対し、時折クイックをまじえて1安打投球。秋山には1ボールからスライダー、カットボールで追い込み、最後はやや甘く入った真っすぐで見逃し三振を奪った。
大学時代までは持ち球の中で優先度の低かったスプリットに、自信を深めている。同じ縦変化のチェンジアップは腕の振りが緩くなる悪癖があったため、キャンプ5日目に黒田球団アドバイザーからスプリットを勧められた。「スプリットだと真っすぐの腕の振りと変わらない。(たとえ球が)落ちなくても、チェンジアップのようになってバッターにとっては嫌だと思う」。落差に波があり信じきれなかった球種が、その一言で自信を持って腕を振れるようになった。この日は2度、スプリットで空振りを奪った。「ランナーいる場面でも、いない場面でも決め球が真っすぐ以外に必要だなと感じているので、信用できる球種としてスプリットはこれからも磨いていきたい」。調整の段階が上がっただけでなく、新たな武器を得た手ごたえも感じられる登板となった。【前原淳】