いい報告を届けたい-。巨人田中将大投手(36)が宮崎キャンプ第3クール2日目の12日、今キャンプ初となるキャッチャー防具をつけた捕手へのブルペン投球を実施。9日に投げたカーブ、スプリットのほか、スライダー、ツーシーム、カットボールを投じ「ああいう形で入るのは今日が初めてでしたけど、上々だった」と声を弾ませた。
納得の44球だった。「一通り球種は投げた」と持ち球の全てを解禁。捕手を務めた岸田が「コースの投げ分けも、ほとんどミスがない」と絶賛するほど、丁寧に投げ込んだ。中でもスライダーについては「悪くない感覚。大きく膨らむとか、真っすぐの軌道から外れて曲がるとかではなかった」と田中将。ノーワインドアップの新たな投球フォームから投じる変化球に手応えをつかんだ。
腕を振るのは、自分のためだけではない。11日は楽天入団時の監督だった野村克也さんの命日。「いろんなことを教えていただいた。ああいう時間があったから、この世界で今もやることができていると思う」と感謝は忘れない。新天地で迎えるシーズンに向けて「野村監督だけじゃないですけど、いい報告、いいニュースを届けたい人はいる」と思いを強くした。
順調にいけば、沖縄での実戦登板も見えてくる。杉内投手チーフコーチは「シート(打撃に)投げて体に問題がなければ、最初のオープン戦の3連戦のどこかで投げると思う」と22日からの3連戦を示した。田中将も「ここから踏まないといけないステップは何個もある。そこを着実に上がっていくことができれば」。支えてくれた人たちのためにも、必ず復活してみせる。【水谷京裕】