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楽天ドラフト1位の宗山塁内野手(21=明大)が、満点デビューだ。沖縄・金武キャンプで初の対外試合となった練習試合・日本ハム戦(金武)に「1番遊撃」でスタメン出場。5回までプレーした。1回にファーストスイングで“プロ初安打”を放ち、5回にも中前打を決めた。四球で出塁した3回は“プロ初盗塁”。2打数2安打1四球1盗塁2得点と躍動した。併殺含む3度の守備機会も難なくこなし、走攻守で千両役者ぶりを発揮した。
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背番号「1」らしく、宗山がファーストスイングで仕留めた。1回先頭で迎えた第1打席。1ストライクから日本ハム根本の134キロを、きれいに中前にはじき返した。「詰まって、少しストレートに刺されて(詰まって)のヒットだった。もっと一発でコンタクトしていけるように。ヒットはヒットで良かったんですけど、もっともっといい対応ができたのかなと思う」。反省も忘れなかった。
3回の第2打席は落ち着いて四球を選び、続く小深田の3球目で二盗を決めてみせた。「いけたら積極的にいこうっていうところだったので、思い切っていった」。そして、2死満塁から5番安田の右越え2点適時打で生還。初得点を刻んだ。
当初は2打席の予定だったが、3打席目も回ってきた。カウント3-1から、ザバラの150キロ直球に力負けせず、再び中前に運んだ。「まだまだピッチャーも投げ始めですし、これからもっと精度が上がってくると思う。自分もそこで精度を上げていかないといけない。自分ももっともっと、長打だったりとかほしいので、まだまだ」と謙虚に振り返った。
初めて打球をさばいた4回の遊-二-一の併殺を含め3度の守備機会を危なげなくこなした。「まだまだ普通の打球なので捕れて当たり前だと思う。逆にそこができなくなると、やっぱりショートってポジションは厳しい」。試合後も塩川コーチと特守のメニューに臨み、さらなるレベルアップへ貪欲な姿勢を示した。
この日の練習試合には6457人が来場。外野の芝生席も開放され、立ち見も出るほどの盛況ぶりだった。「やっぱり試合になると楽しいですし、その環境というか、これが当たり前ではないので。自分がしっかりプレーできてることを幸せに感じて、今プレーできてると思う」。“20年に1人の逸材”と称される大物ルーキーが、これ以上ない華々しいデビューを飾った。【山田愛斗】